関東鉄道つくば北営業所

関東鉄道つくば北営業所と筑波山口バスターミナル

関東鉄道つくば北営業所は、茨城県つくば市沼田に所在する、関東鉄道の路線バス営業所です。この営業所は、かつての筑波鉄道筑波線の廃駅である旧筑波駅の駅舎を改装して利用しているという特徴があります。また、営業所に併設されている筑波山口バスターミナルについても、合わせて解説します。

概要

営業所は、当初「筑波営業所」として開設されましたが、後に「つくば北営業所」と改称されました。一時的に「つくば中央営業所つくば北車庫」に格下げされた時期もありましたが、現在は再び営業所として機能しています。事務所として使用されている旧筑波駅の駅舎は、筑波鉄道筑波線の廃止に伴い使われなくなったものを再利用したものです。車庫自体は少し離れた場所にありますが、発着系統の減少に伴いスペースに余裕ができたため、一部をバスの停泊施設として利用し、給油設備も設けられています。

運行路線

つくば北営業所が担当する主な路線は以下の通りです。

一般路線

土浦駅 - 筑波山口線
土浦駅 - 下妻駅線
筑波山シャトルバス

これらの路線は共同運行を含む形で運行されています。

コミュニティバス「つくバス」

北部シャトル
小田シャトル
作岡シャトル
吉沼シャトル
上郷シャトル

「つくバス」の詳細な運転系統については、つくバスの公式情報を参照してください。

土浦駅 - 筑波山口線

この路線は、1987年に廃止された筑波鉄道筑波線の土浦駅 - 筑波駅間にほぼ沿って運行されています。主な経由地は、沼田、つくばワンワンランド、北条、大池東、小田、宝篋山入口、高岡、藤沢、関鉄ゴルフ場前などを経由し、土浦駅に至ります。区間便として土浦駅 - 高岡間の便も存在しますが、こちらは主に土浦営業所の管轄です。かつて筑波駅は鉄道による筑波山アクセスの玄関口でしたが、つくばエクスプレスの開業後は、その役割は薄れ、現在は筑波山口からのバス路線が主なアクセス手段となっています。2021年11月1日より、一部便は「つくば霞ヶ浦りんりんサイクルバス」として運行され、自転車を積載できるようになっています。

下妻駅 - 土浦駅線

この路線は、下妻車庫との共同運行で、筑波山南麓を東西に横断する形で運行されています。主な経由地は、下妻駅、イオンモール下妻入口、北条、小田、宝篋山入口、高岡などを経由し、土浦駅に至ります。筑波山口バスターミナルは経由せず、北条三差路バス停から土浦駅までの区間で土浦駅 - 筑波山口線と重複します。朝の土浦駅始発便を担当しています。

筑波山シャトルバス

この路線は、つくばセンターから筑波山中腹のつつじヶ丘を結ぶ、観光客向けの直通路線です。主な停留所は、つくばセンター、沼田、筑波山神社入口、つつじヶ丘です。筑波山梅まつりの時期には、臨時の「梅林入口」停留所にも停車します（つくばセンター行きのみ）。つくばエクスプレス開業後、観光客の増加に対応するため、当初は会員制の貸切バスとして運行を開始し、後に定期路線化されました。現在は、年間を通して多くの観光客が利用しており、特に筑波山梅まつりや筑波山もみじ祭りの時期には、増便が行われます。2011年の路線再編に伴い、沼田停留所にも停車するようになり、筑波山口バスターミナルとの乗り換えが可能となりました。また、クローズドドアシステムが撤廃され、全停留所間での相互利用が可能になりました。大晦日には、つくばセンター発の臨時深夜便も運行されます。

廃止路線

かつては、下館、真壁、岩瀬、下妻方面への路線も多数運行していましたが、現在は廃止されています。主な廃止路線は以下の通りです。

筑波山口 - 筑波山線
筑波山口 - 筑波神社前
筑波山口 - 筑波山神社入口 - つつじヶ丘
筑波山口 - 筑波山神社入口
土浦駅 - 筑波山線
土浦駅 - つつじヶ丘（臨時）
つつじヶ丘 → 土浦駅
筑波山口 - つくばセンター線
岩瀬 - 筑波山口線
（土浦駅 - ）筑波山口 - 真壁駅
高速バス（ニューつくばね号）筑波山（筑波山口） - 筑波支所 - 国土地理院 - 農林団地中央 - 谷田部⇔上野駅・東京駅

これらの路線は、時代の変化や利用状況の変化に伴い、順次廃止されました。

車両

つくば北営業所には、いすゞ自動車製の車両が多く在籍しています。かつては、筑波神社前バス停付近の狭隘な道路状況から中型車が多かったのですが、路線再編により大型車も導入されています。近年では、コミュニティバス「つくバス」の運行開始に伴い、専用車両の比率が高くなっています。

主な車両

大型車
いすゞ・エルガ（筑波山シャトル用）
日野・ブルーリボンハイブリッド（サイクルバス用）
中型車
いすゞ・エルガミオ（一般路線・つくバス用）
日野・ポンチョ（つくバス用）

筑波山口バスターミナル

筑波山口バスターミナルは、旧筑波駅の構内バス乗り場を引き続き使用しているバスターミナルです。2005年までは「筑波山」停留所、さらに以前は「筑波駅」という名称でしたが、つくばエクスプレス開業後の混乱を避けるため、現在の「筑波山口」に改称されました。バスターミナルには、券売所、トイレ、飲料の自動販売機などの設備があります。また、廃止された筑波線の路盤は、自転車道「つくば霞ヶ浦りんりんロード」に転用されており、休憩所としても利用されています。かつてはタクシー乗り場もありましたが、2016年に撤退しました。現在、バスターミナルから直接筑波山へ向かうバスはなく（シャトルバスの利用には徒歩連絡が必要）、広域連携バスを含むローカル路線同士の結節点としての役割が強くなっています。

乗り入れバス路線

関東鉄道の一般路線バス、コミュニティバス「つくバス」
桜川市・筑西市の広域連携バス
筑波地区支線型バス「つくばね号」

歴史

1987年 4月1日：筑波線廃止に伴い、代替バスの運行を開始
1991年4月：東京を結ぶ高速バス「ニューつくばね号」運行開始
2001年：関東鉄道の一部バス路線を関鉄パープルバスに移管
2005年 8月24日：一般路線バスの停留所名を「筑波山」に改称
2005年 12月10日：一般路線バスの停留所名を「筑波山口」に改称
2006年 4月1日：「のりのりバス」を廃止し、「つくバス」運行開始
2006年9月：「ニューつくばね号」運行終了
2007年 4月1日：岩瀬・真壁急行バス廃止
2008年 4月1日：関東鉄道の筑波線代替バス真壁駅−岩瀬間と、関鉄パープルバス筑波下館線廃止。
2011年4月1日：「つくバス」の再編、関東鉄道の土浦駅−筑波山口−真壁駅線、筑波山口−筑波山神社入口−つつじヶ丘線が廃止
2016年10月1日：筑西市・桜川市の広域連携バス運行開始
2017年10月1日：桜川市バスが岩瀬駅方面へ延伸
2019年 4月1日：筑波地区支線型バスの実証実験を開始
2022年10月1日：筑波地区支線型バス「つくばね号」の運行を開始

関東鉄道つくば北営業所