閻圃

閻圃（えん ほ）について

閻圃は、後漢末から三国時代の魏にかけての政治家であり、歴史的には重要な存在です。彼の出身地は、現代の四川省南充市順慶区にあたる益州巴西郡安漢県です。彼には、子の閻璞や孫の閻纘が存在し、その血筋は後世にわたって続きました。

生涯の主要な出来事

閻圃は後漢末、漢中郡の支配者である張魯の功曹として仕官しました。当時、住民たちが張魯に玉印を献上し、彼は自身が漢寧王になろうとする意向を示しましたが、閻圃はこれに反対しました。「独立した勢力を維持し、人民が平穏に暮らしている現状を守ることが最も大切だ」と彼は諫め、王になろうとすることには賛同しなかったのです。このように、閻圃は政治的な知略を持ち合わせた人物であったことが伺えます。

建安20年（215年）、曹操が漢中に攻め入り、陽安関を制圧します。この際、張魯は慌てて降伏しようとしましたが、閻圃は争うことを主張しました。ただし、彼は勝敗の見込みからではなく、無抵抗で降伏すれば曹操から軽視されると考えた結果からの反対でした。最終的には張魯は逃げ、おそらく閻圃の意見を参考にしつつ、降伏する決断を下しました。降伏後、閻圃は曹操から高く評価され、張魯の子どもたちと共に列侯に封じられ、さらに馬超の側室である董氏も配偶者として与えられました。

延康元年（220年）、曹丕が後漢からの禅譲を提案する際、閻圃は建節将軍及び平楽郷侯としてその名を連ねました。黄初年間には、さらに地位と爵位が増え、朝廷の議論の場で重要な役割を果たしていました。彼は230年代前半に生涯を閉じたと見られ、爵位は彼の子、閻璞に引き継がれました。

閻圃の一族はその後も栄え続け、閻璞の子である閻纘は西晋の漢中太守に任命され、『晋書』に立伝されています。また、唐代には閻立本という画家であり宰相にもなる一族が登場しました。

三国志演義における閻圃

閻圃は小説『三国志演義』にも登場し、物語の中で张魯の側近として描かれます。歴史上の出来事とは異なり、劉璋を倒した上で張魯に王位を勧めるシーンが描かれています。曹操の攻撃に対して防衛策として龐徳を推挙するものの、同僚の楊松の讒言によって張魯は龐徳を斬ろうとしますが、閻圃は必死に彼を弁護しました。その後、閻圃は曹操に降伏し、史実と同様に列侯に封じられます。

出典

閻圃に関する情報は、陳寿の『三国志』魏書8の張魯伝から得られています。これにより彼の業績や人間性について理解を深めることができるでしょう。

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