陳友

陳友（ちん ゆう、生年不詳 - 1460年）は、明代中期に活躍した軍人です。彼の出自は西域にあり、その祖先は中国本土の滁州全椒県に移住しました。明朝に仕官してからは、その軍事的な才能を発揮し、数々の戦役で功績を挙げました。

正統初年、陳友は千戸という官職に就き、その後、都指揮僉事へと昇進しました。彼は特にオイラトへの使者としての役割を幾度も務め、その功績が認められて都指揮使に進みました。1444年（正統9年）には、寧夏遊撃将軍に任命され、総兵官の黄真と共にウリャンカイを攻撃しました。この戦いで多くの戦功を挙げ、都督僉事へと昇進しました。その後、招答哈卜ら400人を塞外から帰順させることにも成功しました。

1449年（正統14年）9月、景泰帝が即位すると、陳友は都督同知に昇進し、湖広・貴州の苗族討伐に派遣されました。1450年（景泰元年）4月には左参将となり、9月には靖州の守備を任されました。翌1451年（景泰2年）には、王来らと共に香爐山の反乱軍討伐に参加し、万潮山から侵入して反乱軍を打ち破りました。その後も湖広に駐屯し、その功績により右都督に進みました。

しかし、彼の功績には疑義も呈されました。1453年（景泰4年）と1454年（景泰5年）に、それぞれ苗族を多数斬ったと上奏しましたが、実際にはその数が大幅に誇張されており、自軍の将士も多数失っていたことが判明しました。このため、陳友は罪を宣告され、反乱者を討って罪を贖うよう命じられました。

その後、1457年（天順元年）には、方瑛に従って天堂の苗族を討伐し、勝利を収めました。湖広に駐屯したまま左副総兵に進み、方瑛と共に蒙能の残党を打ち破りました。その後、北京に召還され武平伯に封じられ、世券を与えられました。

北元のボライが明の西北辺境に侵攻してくると、陳友は遊撃将軍として安遠侯柳溥らに従って防戦に当たりました。都指揮の趙瑛らを率いてボライを敗走させました。1458年（天順2年）にはボライが鎮番に侵攻してきた際にも、これを迎撃して160人の捕虜を得ました。その後、将軍の印を佩き、総兵官として寧夏に侵攻するモンゴル軍を討伐しました。

ボライが甘州・涼州に侵入した際、他の将軍たちが防戦に失敗する中、陳友のみが勝利を収めたことが評価され、兵部により免罪が請願されました。英宗は柳溥らと共に敗戦の罪を許しました。1459年（天順3年）3月、陳友は北京に召還され、4月には爵位が武平侯に進められました。1460年（天順4年）3月に死去し、6月には子の陳能が武平伯の爵位を継ぎました。1490年（弘治3年）、陳友は沔国公の位を追贈され、諡は武僖とされました。

このように、陳友は明代において数々の戦役で活躍した軍人であり、その生涯は波乱に満ちたものでした。彼の功績は、その後の明朝の歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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