陳式

陳式（ちん しょく）: 三国時代の武将

陳式は中国の後漢末期から三国時代の蜀漢にかけて活躍した武将であり、その生涯は多くの戦闘に関与し、壮大な歴史に彩られています。彼はその名が『華陽国志』や『資治通鑑』などの古典において「陳戒」という表記でも知られていますが、主に「陳式」として記録されています。彼の生没年は不詳であり、多くの詳細が謎に包まれています。

略歴

陳式の活躍は、主に劉備に従った時期から始まります。特に建安23年（218年）の漢中攻撃において、陳式は馬鳴閣道の封鎖を命じられ派遣されますが、名将徐晃による攻撃に敗れてしまいます。この失敗は、彼のキャリアの中でも一つの挫折として記録されています。

その後、夷陵の戦いにおいても劉備と共に水軍を指揮し、呉班と共に夷陵に駐屯しますが、陸遜の火計によって致命的な敗北を喫しました。その戦闘では多くの部隊が被害を受けましたが、彼自身は白帝城への帰還に成功するという運を持っていました。

建興7年（229年）において、彼の名は再び歴史の舞台に登場します。この時、諸葛亮による北伐において先鋒の総大将として武都と陰平を攻略し、その功績により軍事的な地位を確立します。この北伐の際、諸葛亮が建威を攻撃したことで、陳式は郭淮を挟撃する作戦に参加しますが、郭淮は一時出撃して退却したため、最終的には追撃を行わなかったことが後の評価に影響を与えたと言えます。この後の史書における陳式の記録は途絶えており、その運命は不明です。

三国志演義における陳式

小説『三国志演義』では、陳式が黄忠の軍に属する武将として描かれています。この作品において、彼は漢中攻防戦に参与し、夏侯尚の軍と戦って捕虜となりますが、黄忠も夏侯尚を捕らえたため、数日後には人質交換によって無事に戻される形になります。その後、北伐においては魏延と共に軍令を無視して魏軍を追撃しますが、その無秩序な行動によって大敗を喫し、多くの兵士を失うことになります。この結果、彼は諸葛亮の怒りを買い、最終的には斬首される運命を辿ります。このように演義で描かれる陳式は凡将として扱われ、彼の評価は厳しいものとなっています。

なお、演義バージョンでは彼が陵辱されるエピソードも描かれており、彼のキャラクター設定に複雑な背景が加味されています。『弘治本』では陳寿の父とされ、『葉逢春本』では祖父という記述もありますが、実際の歴史書『晋書』の陳寿伝ではそのような記述は見られません。参考文献によると、陳寿の父は馬謖の参軍であったことが記されており、その後馬謖が処刑された際の事件と関連付けて、陳式のエピソードが創作されたのかもしれません。

結論

陳式は三国時代において多くの戦闘に関与し、実際の歴史と文学における描写が異なる興味深いキャラクターです。その軍事的な実績や後の作品における扱いから、彼の存在は今なお多くの人々に認識されています。

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