陸上自衛隊中央輸送隊

陸上自衛隊中央輸送隊

陸上自衛隊中央輸送隊は、防衛大臣の直轄部隊として、陸上自衛隊の輸送業務を一手に担う専門部隊です。神奈川県横浜市の横浜駐屯地に本部を置き、全国各地に展開する部隊を指揮しています。

任務

中央輸送隊の主な任務は、以下の通りです。

広域輸送: 陸上自衛隊の部隊や装備品などを、2つ以上の方面隊にまたがって輸送します。
国際輸送: 日本と外国との間で、人員や物資を輸送します。
港湾・空港業務: 京浜港、東京国際空港、成田国際空港などの主要な港湾・空港において、有償援助による調達品や供与品の受領を行います。
調査・研究: 上記の輸送業務に関する調査や研究も行い、輸送能力の向上に努めています。

これらの任務を通じて、中央輸送隊は陸上自衛隊の活動を後方から支える重要な役割を担っています。

沿革

中央輸送隊は、1983年に陸上自衛隊中央輸送業務隊として発足しました。当初は、京浜地区隊と青函地区隊の2つの地区隊を擁していました。

1983年: 陸上自衛隊中央輸送業務隊が発足。京浜地区隊（横浜駐屯地）、青函地区隊（青森駐屯地、函館駐屯地）を編成。
1996年: 移動支援隊を新編。
2006年: 京浜地区隊、青函地区隊を廃止し、輸送処理隊を新編。移動支援隊を3隊に分割。第3移動支援隊を函館駐屯地に新編。
2008年: 第3移動支援隊が函館駐屯地から横浜駐屯地へ移駐。
2015年: 第4、第5移動支援隊を新編。
2018年: 陸上自衛隊中央輸送業務隊を廃止し、陸上自衛隊中央輸送隊が編成完結。移動支援隊を国際輸送支援隊に改編。各方面後方支援隊隷下の輸送業務隊を方面分遣隊として再編成。
2023年: 第1方面分遣隊本部が真駒内駐屯地から東千歳駐屯地に移駐。


組織改編を経て、2018年に現在の陸上自衛隊中央輸送隊へと改編されました。この改編により、全国の輸送部隊が中央輸送隊の指揮下に入り、より効率的な輸送体制が確立しました。

部隊編成

中央輸送隊は、本部、輸送処理隊、国際輸送支援隊、方面分遣隊で構成されています。

中央輸送隊本部: 総務、企画、運用、管理、会計の各科で構成され、部隊全体の指揮・管理を行います。
輸送処理隊: 横浜ノース・ドックに所在し、港湾での輸送業務を専門に担当します。
国際輸送支援隊: 第1から第5までの5つの隊で構成され、国内外の輸送を支援します。
方面分遣隊: 各方面隊隷下の輸送部隊を再編したもので、第1から第5までの5つの隊があります。各方面隊の管轄地域における輸送業務を担います。

各方面分遣隊は、さらに複数の端末地業務班で構成されており、各駐屯地において輸送業務を遂行しています。

主要幹部

中央輸送隊の主要幹部については、公表されている情報が限られています。詳細については、陸上自衛隊の公式ウェブサイト等をご確認ください。

主要装備

中央輸送隊は、輸送任務に使用する様々な装備を保有しています。

車両: 1/2tトラック（73式小型トラック）、1 1/2tトラック（73式中型トラック）、3 1/2tトラック（73式大型トラック）、業務車1号、人員輸送車
火器: 89式5.56mm小銃

これらの装備を用いて、人員や物資の安全かつ迅速な輸送を遂行しています。

関連項目

中央輸送隊に関連する項目として、以下のものが挙げられます。

港湾・空港: 東京港、川崎港、横浜港、東京国際空港、成田国際空港
方面隊: 北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊
教育機関: 陸上自衛隊輸送学校

外部リンク

中央輸送隊に関するより詳しい情報については、以下の公式ウェブサイトをご参照ください。

陸上自衛隊横浜駐屯地
陸上自衛隊中央輸送業務隊の組織等に関する訓令

中央輸送隊は、陸上自衛隊の活動を支える重要な部隊であり、その活躍は日本の平和と安全に貢献しています。

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