青い鳥 (ミュージカル)

劇団四季のミュージカル『青い鳥』は、モーリス・メーテルリンクの同名童話劇を原作としています。1969年の初演以来、時代に合わせて内容を改訂し、様々な形で上演されてきました。

初演と『ドリーミング』への進化

1985年には、青山劇場のこけら落とし公演として、スペクタクル・ミュージカル『ドリーミング』として大幅に改訂されました。当時としては異例の3か月ロングラン上演となり、民放でテレビ放送もされるなど、大きな話題を呼びました。青山劇場の舞台機構を最大限に活用した演出が特徴で、観客を魅了しました。

さらなる改訂と各地での上演

1994年には再び改訂が加えられ再演されました。しかし、1985年版と同様に青山劇場の舞台機構をすべて使用した作品であったため、青山劇場と愛知県芸術劇場以外の劇場では上演が難しい状況でした。そこで1996年には、一部演出を変更し『ドリーミング SAPPORO』として北海道（札幌JRシアター）で上演されました。この演出によって、他の劇場でも上演が可能となり、大阪でも上演されるようになりました。

『青い鳥』への回帰とファミリーミュージカル化

2003年には、タイトルを再び『青い鳥』に戻し、ファミリーミュージカルとして生まれ変わりました。これまで演出を担当していた浅利慶太から加藤敬二にバトンが渡り、加藤敬二にとって初のファミリーミュージカル演出作品となりました。新作として衣装や装置が一新されましたが、楽曲はそれまでの『青い鳥』『ドリーミング』で使用されていたものをアレンジして使用されました。2003年版はNHKホールでのテレビ放送用上演および全国公演が行われ、多くの人々に感動を届けました。

『ドリーミング』再演とDVD化

2009年10月には、『ドリーミング』（浅利慶太演出）としてJR東日本アートセンター四季劇場［秋］で上演されました。楽曲や装置などは、それまでの『青い鳥』『ドリーミング』を踏襲して再構成されたものでしたが、未来のこどもたち役として子役を起用したのは初めての試みでした。この公演はDVD化され、現在でも鑑賞することができます。

スタッフとキャスト

『青い鳥』は、原作の持つメッセージ性を大切にしながら、時代に合わせた新しい解釈や演出を取り入れてきました。数多くの才能あるスタッフとキャストによって支えられ、長年にわたり観客を魅了し続けています。

主なスタッフ
原作: モーリス・メーテルリンク
脚色: 劇団四季文芸部
作詞: 岩谷時子、イルカ、小椋佳、林光、劇団四季文芸部
作曲: 内藤法美、イルカ、小椋佳、渋谷森久、鈴木邦彦、三木たかし、宮川晶、宮川泰、宮川彬良、林光
演出: 浅利慶太、加藤敬二
振付: 山田卓、加藤敬二

主なキャスト
チルチル: 畠山昌久、堀米聰、小林等、下川原守忠、古谷直通、大徳朋子、土井礼子
ミチル: 野村玲子、青山弥生、和田麻里、相川忍、岸本美香
光: 志村幸美、鈴木京子、後藤由里、片岡真弓、村田恵理子、荒川久美江、坂本泰子、沼尾みゆき、小林由希子
犬のチロー: 市村正親、飯野おさみ、石丸幹二、味方隆司、松澤潤一、田中彰孝、飯村和也
* 猫のチレット: 保坂知寿、野村玲子、山田千春、堀内敬子、井料瑠美、後藤由里、村田恵理子、林香純、谷口あかり

劇団四季『青い鳥』は、時代を超えて愛される名作として、これからも多くの人々に希望と感動を届けてくれることでしょう。

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