青木泰二郎

青木泰二郎（あおき たいじろう）は、生年不詳ながら1962年に没した、大日本帝国海軍の軍人です。海軍兵学校41期を卒業し、同期には草鹿龍之介、木村昌福、田中頼三らがいます。1937年に大佐へ昇進後、水上機母艦「瑞穂」艦長、横須賀海軍航空隊予科練部長を経て、土浦海軍航空隊司令として太平洋戦争開戦を迎えました。

1942年4月25日、青木は空母「赤城」の艦長に就任しますが、そのわずか2ヶ月後の6月5日、ミッドウェー海戦で「赤城」は被弾し炎上します。青木は沈没まで指揮を執り、乗組員の退艦を指示しました。最期まで「赤城」と運命を共にしようとしましたが、乗組員たちによって無理やり退艦させられ、生還します。

帰国後、青木は予備役編入となりますが、召集を受け海南警備府附となります。その後、海口海軍航空隊、佐世保海軍航空隊、元山海軍航空隊の各司令を歴任しました。元山海軍航空隊で終戦を迎えた時、青木は飛行機で内地へ帰還しましたが、残された隊員たちはソ連軍の捕虜となりシベリアに抑留されました。この行動を「敵前逃亡」と非難する元部下も存在します。

戦後、青木は公職追放となりますが、その後は埼玉の幼稚園長として勤務しました。なお、筑波大学教授の青木彰は息子であり、その妻は女優の佐々木すみ江です。


参考文献
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房
『司馬遼太郎からの手紙』朝日新聞社
* 渡辺洋二『戦雲の果てで』光人社NF文庫、2012年 ISBN 978-4769827535

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