面高頼俊

面高頼俊（おもだか よりとし/らいしゅん）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、僧侶でもありました。島津氏の家臣として、その生涯を戦と外交に捧げました。

生い立ちと出自

面高氏は、代々山伏の家系として知られています。肥前国の面高郷との関係は定かではありませんが、天文年間頃から薩摩国市来辺りに居を構えていました。頼俊は、面高英俊の子としてこの世に生を受けました。

若き日の活動

永禄4年（1561年）、頼俊は父・英俊と共に、島津貴久の名代として相模国鶴岡八幡宮へ参詣しました。帰路の永禄6年（1563年）には京都八幡に立ち寄り、御正躰三つを背負って鹿児島の清水八幡へ運びました。この頃から、彼は単なる僧侶の枠を超え、武士としての素養も持ち合わせていたことが伺えます。

武将としての活躍

頼俊が武将として本格的に活動を始めたのは、永禄9年（1566年）10月、日向伊東氏の三ツ山城攻めに参加した時からです。この戦いで軍功を挙げると、永禄11年（1568年）の大口城攻めでは、菱刈氏の武将・牧野次郎を討ち取るなど、その後も各地の戦で目覚ましい活躍を見せました。彼の勇敢さと戦術眼は、島津家中で高く評価されました。

外交官としての手腕

武将としての活躍だけでなく、頼俊は外交官としてもその才能を発揮しました。上洛して15代将軍・足利義昭や織田信長に謁見しただけでなく、諸国への使者も務めました。その功績を認められ、島津義久から日向国を治めた暁には善哉坊の住職にすると約束され、天正4年（1576年）には善哉坊の住職に任じられました。このことから、彼が単なる武将としてだけでなく、政治的な交渉能力にも長けていたことがわかります。

豊臣秀吉の九州平定

天正15年（1587年）、豊臣秀吉による九州平定が行われた際、頼俊は島津氏の使者として豊臣秀長の陣へ入りました。人質に関する交渉をまとめ、伊集院忠棟が人質となる際には同道しました。さらに、豊臣氏に抵抗を続けていた高城を開城させるなど、その交渉手腕は高く評価されました。

関ヶ原の戦いとその後の活動

関ヶ原の戦いの後、島津家が西軍に属したため、頼俊は徳川氏との和睦のために奔走しました。入来院重時と共に徳川家康への使者を務め、井伊直政や山口直友のもとへ赴き、和睦の成立に尽力しました。この功績により、彼は100石を賜りました。

その生涯

面高頼俊は、武将として数々の戦で活躍し、外交官としても類まれな才能を発揮しました。島津氏の重臣として、その生涯を戦と外交に捧げ、激動の時代を生き抜きました。彼の活躍は、戦国時代から安土桃山時代にかけての歴史を語る上で、決して欠かすことのできない重要な要素と言えるでしょう。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）
『「さつま」歴史人名集』（高城書房出版）ISBN 4-924752-28-2

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