須賀神社 (新宿区)

須賀神社の歴史と信仰

須賀神社は、東京都新宿区須賀町に位置する神社で、古くは四谷の総鎮守として地域の人々に深く信仰されてきました。その歴史は、寛永11年（1634年）に赤坂一ツ木村の清水谷にあった稲荷神社が、江戸城外堀の建設に伴い四谷へ遷座されたことに始まります。

その後、寛永14年（1637年）には、日本橋大伝馬町の鎮守であった神田明神の摂社に祀られていた牛頭天王が合祀され、「稲荷山宝蔵院天王社」や「四谷牛頭天王社」などと呼ばれていました。江戸時代には、この神社は「四谷の天王様」として広く知られていました。

『江戸名所図会』や『御府内備考続編』などの文献によると、主祭神である牛頭天王と稲荷大明神の本地仏として、薬師如来像と十一面観音像が安置されていたと記されています。また、境内には不動明王、春日明神、八幡神、金毘羅権現など、多くの神々が祀られていたことがわかります。鋳物師の粉川市正が手掛けた銅燈籠も存在し、祭礼の際には「祇園牛頭天王」と書かれた巨大な幟が立てられ、名物となっていました。

明治時代に入ると、神仏分離令によって別当寺であった宝蔵院は廃寺となり、社号も改められました。しかし、現在も近隣の地名（天王坂、御仮屋横町、天王横丁など）には、当時の信仰の名残が見られます。

須賀神社の祭神と文化財

須賀神社の主祭神は、須佐之男命（須賀大神）と宇迦能御魂命（稲荷大神）です。その左右には、五男神（天忍穂耳命、天穂日命、天津彦根命、熊野樟日命、活津彦根命）と宗像三女神（多紀理姫命、市杵島姫命、多岐都姫命）が祀られています。

また、境内には大鳥神社（祭神：日本武命、天日鷲大神、大鳥連祖大神）と大国社（祭神：大国主命）が相殿として祀られ、摂社として天白稲荷神社（祭神：倉稲魂大命、相殿：天照大神、応神天皇など17柱）も鎮座しています。

須賀神社には、新宿区指定有形文化財（絵画）となっている「三十六歌仙絵」があります。この絵は、天保7年（1836年）に大岡雲峰が絵を、千種有功が書を手がけて奉納されました。

須賀神社の祭事

須賀神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。

1月1日 - 元旦祭
2月3日 - 節分祭
4月 - 稲荷祭
6月 - 例大祭
6月30日 - 夏越しの大祓
8月 - 大黒神大祭
11月15日 - 七五三祝祭
11月（酉の日） - 大鳥神社大祭（酉の市）
12月31日 - 年越しの大祓

須賀神社へのアクセス

須賀神社へは、以下の公共交通機関を利用してアクセスできます。

東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅3番出口より徒歩6分
* JR・地下鉄四ツ谷駅より徒歩12分

須賀神社と関連する文化

須賀神社は、祇園信仰、牛頭天王、蘇民将来、稲荷神、神仏習合といった日本の伝統文化と深く関わっています。これらの文化は、須賀神社の歴史と信仰を理解する上で重要な要素です。

現在も四谷の地で人々に愛され続けている須賀神社は、その歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。

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