飛び出せ!全国DJ諸君

概要

『飛び出せ!全国DJ諸君』は、1974年から1983年にかけて放送されたラジオ番組で、地方民間放送共同制作協議会（火曜会）に加盟する民放ラジオ局で放送されました。番組はナイターオフ期にのびやかな音楽と共にリスナーに元気を届けるもので、火曜会に加盟していないニッポン放送でも「大入りダイヤルまだ宵の口」という番組の一部として放送された時期があるなど、広範な影響を持っていました。

番組の形式

番組は各局から選ばれたアナウンサーがエントリーし、月曜日から金曜日まで日替わりで10分の帯番組を担当しました。リスナーによる人気投票が実施され、その結果上位にランキングされたアナウンサーたちが集まり、公開放送でグランプリを競うという形式を取っていました。この競争を通じて、全国的に知名度を上げたり、キー局への移籍のきっかけを得るアナウンサーも多く、地方局のアナウンサーにとって重要なステップアップの場となっていました。

グランプリ受賞者

この番組でのグランプリ受賞者は、次の通りです：

• - 1974年: 柏村武昭（中国放送、後にフリーアナウンサー・参議院議員）
• - 1975年: 柳卓（琉球放送）
• - 1976年: 波多江孝文（琉球放送、後にニッポン放送に移籍）
• - 1977年: 向井嘉之（北日本放送）
• - 1978年: 河野憲了（静岡放送、後に伊達けん名義で活動）
• - 1979年: 藤本喜八郎（和歌山放送、後に東京でフリーアナウンサーとして活躍）
• - 1980年: 二木清彦（九州朝日放送）
• - 1981年: 村松文代（岩手放送）
• - 1982年: 鎌田強（北海道放送）
• - 1983年: 江崎明（中部日本放送）
• - 1984年: 古内もえみ（北海道放送、後に鈴木もえみ名義で活動）

全国のアナウンサーにとってこの番組は、多くの名声を獲得するための大きな転機となりました。

主な入賞者

さらに多くの入賞者がこのコンテストで輝かしい実績を残しました。1974年には永松英信（長崎放送、タレント賞）、松井伸一（九州朝日放送、オンリーユー賞）、井上雪彦（山口放送、パーソナリティ賞）が受賞し、1975年には荒川強啓（山形放送、現在はフリー）、1980年には久保正彰（信越放送）が優秀賞を獲得しました。これらのアナウンサーたちはそれぞれが後のキャリアにおいて重要な役割を果たしています。

番組の意義

『飛び出せ!全国DJ諸君』は、単なる競技会に留まらず、リスナーとのつながりを深める場でもあり、地域に根ざした多様なアラカルトの番組が紹介されることで地域文化の発信の役割も担っていました。また、番組の存在は地方局のアナウンサーにとっての「登龍門」となり、多くの才能が全国的な舞台で活躍するきっかけを提供したのです。ラジオの魅力を再確認させるこの画期的な番組は、今でも多くのリスナーの心に残っています。

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