飛鳥井雅春

飛鳥井雅春

飛鳥井雅春（あすかい まさはる）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての公卿であり、飛鳥井家11代当主として知られています。初名は雅教（まさのり）、号は重雅・自庵と称しました。父は権大納言を務めた飛鳥井雅綱です。

生涯

永正17年（1520年）に飛鳥井雅綱の子として誕生。大永4年（1524年）に従五位下に叙爵し、公家としての道を歩み始めます。天文元年（1532年）に元服し、雅教と名乗ります。

父と共に、駿河国や越中国など、各地の戦国大名の元へ下向することが多かったようです。永禄4年（1561年）から翌年にかけては伊達晴宗を訪問し、蹴鞠を伝授。天正4年（1576年）と同6年（1578年）には北条氏政を訪れ、家臣である板部岡江雪斎や安藤清広に歌書を与えています。これらの行動から、雅春が文化的な交流を通じて、戦国大名家との関係を深めていたことが伺えます。

天正6年（1578年）には、子である雅敦が早世するという悲しい出来事がありました。天正10年（1582年）に雅春と改名し、天正12年（1584年）には全ての官職を辞して隠居しました。文禄3年（1594年）に75歳で死去しています。

官歴

雅春は、公家として以下の官位を歴任しました。

大永4年'>[1524年]12月12日、従五位下
[1532年]12月20日、従五位上
[1532年]12月21日、侍従
[1535年]6月26日、左近衛少将
[1536年]2月21日、正五位下
[1538年]3月8日、駿河介
[1539年]1月19日、従四位下
[1539年]2月4日、左近衛中将
[1542年]1月5日、従四位上
[1544年]3月19日、丹波介
[1545年]1月5日、正四位下
[1548年]1月5日、従三位
[1548年]3月23日、左兵衛督
[1549年]2月25日、参議
[1549年]3月9日、左衛門督
[1549年]3月25日、丹波権守
[1552年]1月9日、正三位
[1557年]6月、従二位
永禄2年'>[1559年]1月18日、権中納言
永禄4年'>[1561年]、左衛門督を辞退
天正2年'>[1574年]1月5日、正二位
1575年(天正3年)2月19日、権大納言
天正10年'>[1582年]、雅春に改名
天正12年'>[1584年]10月22日、権大納言を辞退
文禄3年'>[1594年]1月12日、死去

系譜

父：飛鳥井雅綱
母：丹波親康娘
妻：一色義清女
男子：飛鳥井雅敦
男子：一色龍雲
妻：不詳
男子：松木宗満 - 宗房。松木宗藤の養子
養子：西洞院時慶 - 甥。覚澄の子

人物

飛鳥井雅春は、戦国時代の動乱期において、公家としての地位を保ちながら、各地の大名との交流を深めました。蹴鞠や歌道といった文化を通じて、戦国大名たちとの関係を構築し、文化の伝播に貢献した人物として評価できます。

参考文献

佐脇栄智「飛鳥井雅教」『戦国人名辞典』（吉川弘文館 2006年） ISBN 978-4-642-01348-2

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