飯田興秀

飯田興秀は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣として活躍しました。特に大内義興の時代には博多代官を務め、その手腕を発揮しました。

出自

飯田氏は、建久3年（1192年）に土岐頼房の子である重房が豊前国安心院永池村に移り、その地名を姓としたのが始まりとされています。

略歴

永正3年（1506年）に飯田弘秀の子として生まれた興秀は、大内義興から偏諱を受けていることからもわかるように、早くから大内氏に仕えていました。彼は弓の腕に長けていただけでなく、奉行としての能力にも優れ、九州地方の軍事面での権限を任されていたと言われています。また、豊前寺社奉行のような役割も果たしていたことが記録に残っています（『豊前平野文書』）。

享禄元年（1528年）に義興が亡くなった後は、その跡を継いだ義隆に引き続き仕えました。

天文19年（1550年）7月17日には、従五位下に叙任されています。

しかし、天文20年（1551年）の陶隆房の謀反（大寧寺の変）の際には、陶方に味方し、主君である大内義隆を自害に追い込むという行動に出ました。その後、義隆の養子であった大友晴英を当主として擁立しました。天文22年（1553年）に晴英が「義長」と改名すると、興秀の嫡男が偏諱を賜り「長秀」と名乗っています。

弘治3年（1557年）に死去。死因は明らかではありませんが、同年には毛利氏による防長経略によって主君である大内義長以下、大内氏が滅亡していることから、この時に運命を共にした可能性が考えられます。あるいは、その前年には興秀の二人の子が義長の兄にあたる大友義鎮（宗麟）を頼って家臣となっているため、彼らと同行していれば、その地で亡くなった可能性もあります。

子孫

興秀の二人の子は、陶晴賢が滅亡した後（天文24年（1555年）の厳島の戦い）、居城である飯田城（豊前宇佐郡安心院町）に移り、弘治2年（1556年）には大友義鎮の家臣となっています。

嫡男である長秀（石見守、左京進）は大友氏の麾下に属した後、新たに主君である義鎮から偏諱を受け、「鎮敦」と改名しました。彼の生存は天正6年（1578年）10月11日まで確認されています。

次男である義忠（但馬守、法名：麟清）は、兄から飯田城主の地位を継承し、義鎮の義兄である田原親賢に属して大友氏の豊前制圧に貢献しました。彼は天正15年（1587年）7月10日に病死しています。

また、同じく天正15年には、黒田孝高（官兵衛）に仕えていた長秀（鎮敦）の子である重堅（通称：新左衛門）が、主君の命により改易され帰農しています。

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