馬歩青

馬歩青（ば ほせい）

馬歩青は中華民国における著名な軍人であり、回族の出身である。彼は馬家軍の主要な指導者として知られ、軍事と政治の世界で多くの影響力を持った人物である。彼の字は子雲で、馬麒の長男として誕生し、兄に馬歩芳、叔父には馬麟がいる。

初期の活動

馬歩青の軍人としてのキャリアは、1912年（民国元年）に馬麒が西寧鎮総兵に任命されると共に始まる。彼もまた、この新設された寧海軍に参加し、2年後には重要な職位である管帯に昇進した。1920年には寧海軍護衛営の統領としての地位に就き、翌年には馬福祥の下で第2路警備司令に任命される。1923年、馬福祥の指示で北京へ派遣され、そこで陸軍少将の称号を授与されたものの、馬福祥の子である馬鴻逵との関係は芳しくなく、北京に留まることとなった。

1926年、馬麒の寧海軍は国民聯軍に吸収され、編成が再編成された。この時、馬歩青は父の指示で呼び戻され、新たに編成された師団に参加する。1929年には宋哲元の指揮下で独立第55旅の旅長に昇進したが、反蔣介石軍との対立に巻き込まれ、自軍が壊滅させられ、北平に逃げ込む結果となった。次の年には甘粛省に移り、甘粛暫編騎兵第1師の指揮を取った。

河西における権力確立

1931年に馬麒が亡くなった際、馬歩青は密かに青海に帰還し、後任の馬麟から暫編騎兵1個師を指揮するよう任命される。翌年には河西走廊の東部を拠点とし、新たに騎兵第2師の師長に任命され、1934年にはその部隊が騎兵第5師に改称された。1936年には国民政府から陸軍中将の称号が与えられ、同年10月には河西走廊の戦闘において紅軍と対峙したが、紅軍の渡河を阻止することは叶わなかった。しかし、彼は紅軍に対して一定のダメージを与えた一方で、多くの部下を失う結果となってしまった。

1937年には陸軍騎兵第5軍の軍長に昇進し、甘新公路の整備を進める役割も果たした。彼の功績としては、ソビエトからの支援物資の物流の改善が挙げられるが、同時に彼の支配地域における民衆からの収奪が強く、その点での評価は分かれる。

晩年と没後

1943年末、馬歩青は馬歩芳の副総司令に任命されるが、馬歩芳の策略によってその権限を失い、翌年には失脚する。1945年には蒙蔵委員会の委員となったが、彼の政治的及び軍事的な地位は低下してしまった。その後、彼は故郷に引退し、豊かな生活を送るが、国共内戦が進む中で青海が危機に晒されると、台湾に逃亡することになる。台湾では国防部中将参議や、総統府国策顧問など diversas の職に就いた。

1977年2月9日、馬歩青は台北で病によりこの世を去った。享年は80歳という長寿を全うした。彼の生涯を通じて、軍人としての業績だけでなく、政治家としての影響力も大きかったが、様々な評価が今なお残る。

参考文献

• - 王勁『甘寧青民国人物』蘭州大学出版社、1995年、ISBN 7-311-00902-2

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