駒敏郎
駒敏郎（こま としお）は、1925年6月7日に京都市西陣で生まれ、2005年3月20日にその生涯を閉じました。彼は、文筆家として多岐にわたる分野で活躍しましたが、その根底には京都への深い愛情がありました。
経歴
京都三中学校を卒業後、京都府立医科大学に進学するも、演劇に熱中するあまり中退。身長181cmという恵まれた体格で、京都女子大学では非常勤講師として「あしなが先生」と呼ばれ親しまれました。また、児童劇団「どうげきペチカ」を主宰し、台本執筆や演出を手掛ける一方で、1952年からドラマの脚本家としてのキャリアもスタートさせました。NHKラジオドラマ「秋風の検校」は美也古豆本から刊行され、現在も古書店で入手可能です。NHKテレビ「日本の歴史」を担当したことをきっかけに、歴史研究に本格的に取り組み始め、1962年からは著述業に専念し、地誌、歴史、文学など幅広いテーマで執筆活動を行いました。
NHK京都放送局に勤務していた際、番組内で「頼政が太刀についた鵺の血を洗ったと言われる鵺池の所在は明らかでない」と放送したところ、視聴者から「放送局の窓を開ければ見える」と指摘されたというエピソードがあります。この鵺池は、二条児童公園内にあり、平家物語に登場する源頼政の鵺退治の伝説にちなんだものです。
1949年からは4年連続で、主催していた児童劇団の小中高生を連れて比叡山横川で3、4泊の合宿を実施。また、毎日放送（MBS）製作・近畿日本鉄道提供の教養系紀行番組『真珠の小箱』では、1959年3月6日から2004年3月27日まで45年間プロデューサーを務めました。1982年からは光華女子大学で京都学を講じ、京都女子大学でも非常勤講師を務めました。京都女子大学では、少なくとも6年間教鞭を執り、「体験的京都及び京都人観」というテーマでレポートを課していました。晩年は、京都市中京区西ノ京御輿岡町から京都市左京区南禅寺北ノ坊町へと居を移しています。1994年には、長年の京都文化への貢献が認められ、京都市芸術功労賞を受賞しました。
著書
駒敏郎は、その生涯で数多くの著作を発表しました。特に京都をテーマにしたものが多く、その詳細な記述と深い考察は多くの読者を魅了しました。
『京都文学散歩』(保育社, 1966)
『奈良の寺』(保育社, 1967)
『北陸能登 文学と歴史の旅』(保育社, 1969)
『京都散見』(駸々堂出版, 1970)
『大和路 文学散歩』(保育社, 1970)
『木曽路 歴史と文学の旅』(保育社, 1971)
『萩・長門路』(保育社, 1972)
『カラー京都の祭』(淡交社, 1972)
『京の老舗』(駸々堂出版, 1972)
『京都散策 1 東山の道』(保育社, 1973)
『戦国武将の謎』(祥伝社, 1973)
『川の日本史 流域を紀行する』(新人物往来社, 1974)
『京都散策 7 洛中』(保育社, 1975)
『京都西陣織屋町』(駸々堂ユニコンカラー双書, 1975)
『美しき京都』(集英社, 1976)
『老舗 美と心』(創造, 1977)
『天狗筆記物語 私説西陣の歴史』(創世記, 1977)
『江戸豪商の謎』(祥伝社, 1978)
『花と歴史の旅』(毎日新聞社, 1978)
『北条政子 頼朝を将軍にした女』(徳間書店, 1979)
『カラー京の庭』(山と渓谷社, 1980)
『日本魁物語』(平凡社, 1980) のち徳間文庫
『なつかしい城下町』(保育社, 1981)
『東京の老舗京都の老舗』(角川文庫, 1982)
『京都味の老舗』(鎌倉書房, 1985)
『心斎橋北詰 駸々堂の百年』(駸々堂出版, 1986)
『女子大版京都学入門』(名古屋豆本, 1987)
『桃山の落日 京都名庭秘話』(学芸書林, 1988)
『紋屋相模 御寮織物司井関家家史』(井関栄二, 1988)
『諸国和菓子めぐり』(本阿弥書店, 1988)
『京洛ひとり歩き』(本阿弥書店, 1991)
『京の和菓子旅の和菓子』(本阿弥書店, 1992)
『京洛名水めぐり』(本阿弥書店, 1993)
『誤解される京都』(本阿弥書店, 1993)
『京の小路散歩 もうひとつの京都新発見 暮らしが息づく通り道』(婦人画報社, 1996)
『京の味 老舗の味の文化史』(向陽書房, 2000)
共著
また、駒敏郎は、以下の様な共著も手掛けています。
『日本の名著 葉隠』(中央公論社, 1969) ※奈良本辰也共訳
『平家絵巻 写真紀行』(新人物往来社, 1972) ※奈良本辰也共著
『京都散策 2』(保育社, 1973) ※邦光史郎共著
『京都散策 3』(保育社, 1973) ※永井路子共著
『京都散策 4』(保育社, 1974) ※杉本苑子共著
『京都散策 6』(保育社, 1974) ※尾崎秀樹共著
『京都散策 5』(保育社, 1974) ※岡部伊都子共著
『京都の伝説』(角川書店, 1976) ※中川正文共著
『近江の伝説』(角川書店, 1977) ※中川正文共著
『伊勢・志摩の伝説』(角川書店, 1979) ※花岡大学共著
『若狭・越前の伝説』(角川書店, 1980) ※花岡大学共著
『史料 京都見聞記 全5巻』(法藏館, 1991～1992) ※村井康彦、森谷尅久と共編
駒敏郎の著作は、京都の歴史や文化を深く理解するための貴重な資料であり、彼の情熱と知識の結晶です。彼の作品を通して、京都の魅力を再発見することができるでしょう。
経歴
京都三中学校を卒業後、京都府立医科大学に進学するも、演劇に熱中するあまり中退。身長181cmという恵まれた体格で、京都女子大学では非常勤講師として「あしなが先生」と呼ばれ親しまれました。また、児童劇団「どうげきペチカ」を主宰し、台本執筆や演出を手掛ける一方で、1952年からドラマの脚本家としてのキャリアもスタートさせました。NHKラジオドラマ「秋風の検校」は美也古豆本から刊行され、現在も古書店で入手可能です。NHKテレビ「日本の歴史」を担当したことをきっかけに、歴史研究に本格的に取り組み始め、1962年からは著述業に専念し、地誌、歴史、文学など幅広いテーマで執筆活動を行いました。
NHK京都放送局に勤務していた際、番組内で「頼政が太刀についた鵺の血を洗ったと言われる鵺池の所在は明らかでない」と放送したところ、視聴者から「放送局の窓を開ければ見える」と指摘されたというエピソードがあります。この鵺池は、二条児童公園内にあり、平家物語に登場する源頼政の鵺退治の伝説にちなんだものです。
1949年からは4年連続で、主催していた児童劇団の小中高生を連れて比叡山横川で3、4泊の合宿を実施。また、毎日放送（MBS）製作・近畿日本鉄道提供の教養系紀行番組『真珠の小箱』では、1959年3月6日から2004年3月27日まで45年間プロデューサーを務めました。1982年からは光華女子大学で京都学を講じ、京都女子大学でも非常勤講師を務めました。京都女子大学では、少なくとも6年間教鞭を執り、「体験的京都及び京都人観」というテーマでレポートを課していました。晩年は、京都市中京区西ノ京御輿岡町から京都市左京区南禅寺北ノ坊町へと居を移しています。1994年には、長年の京都文化への貢献が認められ、京都市芸術功労賞を受賞しました。
著書
駒敏郎は、その生涯で数多くの著作を発表しました。特に京都をテーマにしたものが多く、その詳細な記述と深い考察は多くの読者を魅了しました。
『京都文学散歩』(保育社, 1966)
『奈良の寺』(保育社, 1967)
『北陸能登 文学と歴史の旅』(保育社, 1969)
『京都散見』(駸々堂出版, 1970)
『大和路 文学散歩』(保育社, 1970)
『木曽路 歴史と文学の旅』(保育社, 1971)
『萩・長門路』(保育社, 1972)
『カラー京都の祭』(淡交社, 1972)
『京の老舗』(駸々堂出版, 1972)
『京都散策 1 東山の道』(保育社, 1973)
『戦国武将の謎』(祥伝社, 1973)
『川の日本史 流域を紀行する』(新人物往来社, 1974)
『京都散策 7 洛中』(保育社, 1975)
『京都西陣織屋町』(駸々堂ユニコンカラー双書, 1975)
『美しき京都』(集英社, 1976)
『老舗 美と心』(創造, 1977)
『天狗筆記物語 私説西陣の歴史』(創世記, 1977)
『江戸豪商の謎』(祥伝社, 1978)
『花と歴史の旅』(毎日新聞社, 1978)
『北条政子 頼朝を将軍にした女』(徳間書店, 1979)
『カラー京の庭』(山と渓谷社, 1980)
『日本魁物語』(平凡社, 1980) のち徳間文庫
『なつかしい城下町』(保育社, 1981)
『東京の老舗京都の老舗』(角川文庫, 1982)
『京都味の老舗』(鎌倉書房, 1985)
『心斎橋北詰 駸々堂の百年』(駸々堂出版, 1986)
『女子大版京都学入門』(名古屋豆本, 1987)
『桃山の落日 京都名庭秘話』(学芸書林, 1988)
『紋屋相模 御寮織物司井関家家史』(井関栄二, 1988)
『諸国和菓子めぐり』(本阿弥書店, 1988)
『京洛ひとり歩き』(本阿弥書店, 1991)
『京の和菓子旅の和菓子』(本阿弥書店, 1992)
『京洛名水めぐり』(本阿弥書店, 1993)
『誤解される京都』(本阿弥書店, 1993)
『京の小路散歩 もうひとつの京都新発見 暮らしが息づく通り道』(婦人画報社, 1996)
『京の味 老舗の味の文化史』(向陽書房, 2000)
共著
また、駒敏郎は、以下の様な共著も手掛けています。
『日本の名著 葉隠』(中央公論社, 1969) ※奈良本辰也共訳
『平家絵巻 写真紀行』(新人物往来社, 1972) ※奈良本辰也共著
『京都散策 2』(保育社, 1973) ※邦光史郎共著
『京都散策 3』(保育社, 1973) ※永井路子共著
『京都散策 4』(保育社, 1974) ※杉本苑子共著
『京都散策 6』(保育社, 1974) ※尾崎秀樹共著
『京都散策 5』(保育社, 1974) ※岡部伊都子共著
『京都の伝説』(角川書店, 1976) ※中川正文共著
『近江の伝説』(角川書店, 1977) ※中川正文共著
『伊勢・志摩の伝説』(角川書店, 1979) ※花岡大学共著
『若狭・越前の伝説』(角川書店, 1980) ※花岡大学共著
『史料 京都見聞記 全5巻』(法藏館, 1991～1992) ※村井康彦、森谷尅久と共編
駒敏郎の著作は、京都の歴史や文化を深く理解するための貴重な資料であり、彼の情熱と知識の結晶です。彼の作品を通して、京都の魅力を再発見することができるでしょう。
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