高丘比良麻呂

高丘比良麻呂について

高丘比良麻呂（たかおか の ひらまろ）は、奈良時代に名を馳せた貴族の一人であり、またその官職としては従四位下や内蔵頭を持っていました。比良麻呂の名前は、文献によって「枚麻呂」や「比枝麻呂」とも記されていますが、今回は混乱を避けるために「比良麻呂」と統一して記述します。

出自

高丘比良麻呂は、高丘氏、すなわち高丘連に属しており、この氏族は百済系の渡来氏族です。彼の祖先は、秦の王族の血を引く参が高陵に封じられ、その子孫が高陵氏を名乗るようになりました。この一族は、漢の時代には諫議大夫の高陵顕を輩出していますが、後漢末期の動乱により、一部が朝鮮半島の楽浪郡へ移住しました。沙門詠が百済から日本に帰化し、その子孫が高丘比良麻呂に至るという系譜が存在します。天智天皇2年（669年）に沙門詠が日本に戻り、その後の世代では神亀元年（724年）に高丘連に改姓されることとなります。

経歴

高丘比良麻呂は、河内国古市郡に生まれ育ちました。若年の頃から大学寮で卓越した学問を修め、多くの書物を読み漁る姿勢を示しました。彼は孝謙朝から淳仁朝の初期まで紫微少疏および大疏として官職を務め、大外記を経て、天平宝字5年（761年）には外従五位下および越前介に昇進しました。その後、内蔵助という京官に転任し、天平宝字8年（764年）には正月に大外記を兼任することとなりました。

同年9月には、藤原仲麻呂の乱が発生し、比良麻呂は仲麻呂が独断で兵士を招集し始めた際、これを孝謙上皇に密告しました。この迅速な行動が評価され、彼は外従五位下からいきなり内位の従四位下に昇進し、翌天平神護元年（765年）には勲四等の称号も授与されました。さらに、彼は遠江守を兼任し、天平神護3年（767年）には法王宮職が新たに設置された際、その次官である法王宮亮も兼任します。

比良麻呂は、連姓から宿禰姓への改姓を果たし、神護景雲2年（768年）6月28日にこの世を去りました。彼の最終的な官位は、内蔵頭・兼大外記・遠江守・従四位下でした。

官歴

比良麻呂の官歴には多くの重要な任務が含まれています。以下に主要な官職の変遷を示します。

• - 時期不詳：従七位上
• - 天平勝宝5年（753年）5月7日：見紫微少疏兼美濃員外少目
• - 天平勝宝6年（754年）5月15日：見従六位下
• - 天平宝字2年（758年）6月16日：見従六位上
• - 時期不詳：正六位下
• - 天平宝字4年（760年）1月11日：見紫微大疏、4月15日：見大外記
• - 時期不詳：外従五位下
• - 天平宝字5年（761年）正月16日：越前介
• - 時期不詳：内蔵助
• - 天平宝字8年（764年）正月21日：兼大外記、9月11日：従四位下（越階）
• - 天平神護元年（765年）正月7日：勲四等
• - 時期不詳：兼遠江守
• - 天平神護3年（767年）3月20日：兼法王宮亮、3月27日：連姓から宿禰姓に改姓
• - 神護景雲2年（768年）6月28日：卒去（内蔵頭兼大外記・遠江守・従四位下）

このように、高丘比良麻呂は彼の時代において重要な役割を果たし、政治の舞台においても他の貴族たちと肩を並べて活躍していました。彼の功績は、奈良時代の貴族社会において一つの象徴となることでしょう。

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