高城 (新納院)

高城（たかじょう）

宮崎県児湯郡木城町に存在した山城、高城は、その歴史と戦略的な重要性から、多くの人々の関心を集めています。この城は、伊東四十八城の一つとして数えられ、特に高城川の戦い（耳川の戦い）の舞台となったことで知られています。現在は木城町指定の文化財（史跡）として保存されています。

概要

高城は、日向国内に3つ存在した「日向三高城」の一つで、この新納院・高城（本稿で高城と記述する際は、この城を指します）、三俣院・高城（別称：月山日和城）、穆佐院・高城（別称：穆佐城）があります。新納院・高城は、北を谷瀬戸川（現在の切原川）、南を高城川（現在の小丸川）に挟まれた台地に築かれました。城の北、東、南側は自然の絶壁を利用し、西側には7つの空堀を設けることで防御を固めています（現在確認できるのは5つ）。この構造は、中世南九州の城郭の特徴を残しつつ、近世初頭の城郭の要素も取り入れたものです。

歴史

起源

高城の起源は定かではありませんが、701年には土塁として城の役割を果たしていたという記録があります。1335年には、島津忠宗の四男・時久が足利尊氏から新納院の地頭職を授けられた際、城郭を築いたとされています。時久はこの時に新納氏を名乗るようになりました。1350年には、畠山直顕による攻撃で一時落城しますが、1357年には土持氏が新納院の地頭職を得て、高城は土持氏の城となります。その後、1457年に土持景綱が伊東祐堯に敗れると、高城は伊東氏の支配下に入り、野村蔵人が城主となりました。

戦国時代

1572年、伊東氏は木崎原の戦いを機に衰退し、伊東義祐らが一時的に豊後へ退去すると、高城を含む日向国内の城は島津氏のものとなりました。1578年、島津義久は山田有信を高城の城主兼地頭に任命しました。

第一次高城合戦

1578年、大友宗麟は伊東氏の旧領回復とキリスト教国建設のため日向へ侵攻を開始しました。大友軍は高城近くの国光原台地に陣を敷き、高城を攻撃しました。当初、高城の守備兵は500名程度でしたが、島津家久勢の合流により1500名余りに増強されました。大友軍は城下を焼き払い、激しい攻撃を仕掛けましたが、高城の守りは固く、水の手を断たれたものの、城内の湧き水によって窮地を脱しました。その後、大友軍は包囲戦に切り替え、11月12日には高城川の戦いが発生し、島津軍の反撃により大友軍は敗北しました。

第二次高城合戦

1587年、豊臣秀吉の九州征伐が始まると、豊臣秀長軍が高城を包囲しました。高城を守る山田有信は抗戦しましたが、島津軍本隊が根白坂の戦いで敗北したため、息子の有栄を人質に出して降伏しました。その後、高城は宮部継潤の管理下となり、秀吉の国割りにより秋月種実の所有となりましたが、1615年の一国一城令により廃城となりました。

現在

高城は現在、木城町の史跡としてその一部が保存されており、往時の面影を偲ぶことができます。この城がたどった歴史は、戦国時代の九州における複雑な勢力争いを物語る重要な史跡として、今後も保存されていくことでしょう。

参考文献

山内正徳 著：『高城戦記 九州の関ヶ原はどのように戦われたか』（鉱脈社 2008年5月） ISBN 9784860612665

関連項目

日本の城一覧
新納氏
土持氏
伊東氏
秋月氏
耳川の戦い
九州征伐

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