高来神社

高来神社の概要

高来神社（たかくじんじゃ）は、神奈川県中郡大磯町高麗に位置する歴史深い神社です。一般には高麗神社とも呼ばれ、旧社格は郷社として多くの信仰を受けてきました。社名に関しては、朝鮮半島の高句麗からの渡来人に由来する説があります。

由緒・歴史

高来神社の起源は中世の戦乱によって文献が失われたため明確ではありませんが、神武天皇の時代に創建されたという伝承が残っています。また、一時は高麗山の山頂に上宮があり、高麗権現社として知られていました。ここでは、右の峰に白山権現、左の峰に毘沙門天が祭られており、「高麗三社権現」と称されていました。

高句麗が新羅や唐の連合軍に滅ぼされた際、王族の若光に率いられた高麗の人々が相模国大磯に渡来し、後には武蔵国高麗郡（こまぐん）に集まり、高麗神社が設立されたとされています。高来神社の例大祭である「御船祭」の木遣歌には、「高麗国守護」としての渡来が謳われ、「大磯浦の守護」としての役割を持ったことが刻まれています。

この地では古くから武士の信仰が厚く、鎌倉時代には将軍源頼朝が正室北条政子の安産祈願を行ったとされ、戦国時代には後北条氏が領地を寄進するなど、歴史に名を残してきました。また、遊女として名を馳せた虎御前がこの寺で出家し、曽我物語の主人公、曽我十郎のために生涯を捧げた伝説もあります。

祭神

高来神社で祀られている祭神は以下の通りです：

• - 神皇産霊尊
• - 天津彦穂邇々伎尊
• - 応神天皇
• - 神功皇后

年表

高来神社の歴史は以下のように年代を追って記録されています：

• - 神武天皇朝：創建の伝承
• - 垂仁天皇朝：神皇産霊尊と天津彦穂邇々伎尊を祭神とする
• - 533年（安閑天皇朝2年）：神功皇后・応神天皇が合祀
• - 717年（養老元年）：神仏習合に基づき高麗寺別当の所管となる
• - 1591年（天正19年）：徳川家から朱印地百石を授与される
• - 寛永年間：東照大権現を併祀
• - 1868年（明治元年）：神仏分離令により高麗寺から分離し高麗神社となる
• - 1873年（明治6年）：郷社に列せられる
• - 1897年（明治30年）：高来神社に改称
• - 1907年（明治40年）：神饌幣帛供進すべき神社に指定

祭事

高来神社では一年を通して様々な祭りが行われています：

• - 元旦祭：1月1日
• - 節分祭：2月3日
• - 春季例祭（山神輿）：4月の第3土日（上宮渡御〜本社還御）
• - 夏季大祭：7月の第3日曜日（偶数年には「御船祭」として舟形山車が運行）

アクセス

高来神社へは、JR東日本の東海道本線大磯駅から「平塚駅北口行き」のバスに乗り、「化粧坂」または「花水」下車後、徒歩約3分です。

この神社は、訪れる人々に深い歴史と信仰の息吹を感じさせ、地域に根付いた文化として、多くの人に愛され続けています。

もう一度検索