高橋安麻呂

高橋安麻呂の生涯

高橋安麻呂（たかはしのやすまろ）は、奈良時代に活躍した著名な貴族であり、官位は従四位下、右大弁でありました。彼の経歴や役職について、詳しく見ていきましょう。

早いキャリア

安麻呂は、養老2年（718年）に従五位下に叙爵されたのが、そのキャリアの始まりでした。続いて、同年の養老4年に宮内少輔に任命され、宮中における重要な役割を担うようになりました。これは彼が貴族としての地位を確立するための第一歩でありました。

聖武天皇時代の活躍

神亀元年（724年）2月、安麻呂は聖武天皇の即位に伴う叙位において、従五位上に昇叙されました。この時期、彼は海道（現在の太平洋沿岸）の蝦夷による反乱が発生したことで、重要な任務に就くことになります。反乱鎮圧のために派遣された遠征軍では、持節大将軍・藤原宇合に次ぎ副将軍として指揮を執ります。遠征の成果は一定のものであり、11月には帰京し、翌年には叙位や叙勲が行われ、安麻呂は正五位下に昇格し、勲五等も受けました。

法律問題とその後の処分

天平4年（732年）には右中弁に任命され、重要な行政の職務に従事しますが、同時に別の事件に巻き込まれます。美作守・阿倍帯麻呂が共謀し、4人を殺害した事件において、安麻呂は右大弁・大伴道足と共に訴訟を担当。しかし、彼らがこの訴訟を放置したため、天平7年（735年）には怠慢の罪で処罰されることとなりました。その後、聖武天皇の命により、安麻呂は赦免され、再び職務に復帰します。

経歴のさらなる昇進

その後、安麻呂は右大弁として政務を執りながら、天平9年（737年）には正五位上に、さらに天平10年（738年）には従四位下に昇進しました。同年12月には、大宰大弐に任命され、藤原広嗣と共に大宰府に下向しました。この任命は、式家閥と呼ばれる政権批判勢力の有力官人を遠ざける目的であったとも言われています。興味深いことに、藤原広嗣はその後、九州で反乱を起こし敗死しますが、安麻呂のその後の動静は記録に残されていません。

官歴

高橋安麻呂の官歴をまとめると次のようになります:

• - 時期不詳：正六位上
• - 養老2年（718年） 正月5日：従五位下
• - 養老4年（720年） 10月9日：宮内少輔
• - 時期不詳：宮内大輔
• - 神亀元年（724年） 2月22日：従五位上、4月7日：征夷副将軍
• - 神亀2年（725年） 閏正月22日：正五位下、勲五等
• - 天平4年（732年） 9月5日：右中弁
• - 天平9年（737年） 9月28日：正五位上
• - 天平10年（738年） 正月13日：従四位下、12月4日：大宰大弐
• - 時期不詳：右大弁

まとめ

高橋安麻呂の生涯は、奈良時代の政治の変遷とともに展開されたものであり、彼の役職や行動は当時の社会情勢や権力闘争を反映しています。彼の業績や失敗の両面が、歴史において重要な意味を持つことは間違いありません。

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