大伴道足

大伴道足について

大伴道足（おおとも の みちたり）は、飛鳥時代から奈良時代にかけての重要な公卿として知られています。彼は贈内大紫位を受けた大伴馬来田の子であり、官位として正四位下や参議などを歴任しました。

経歴

道足の政治キャリアは、大宝4年（704年）に従六位下から始まります。彼はその後、四階の昇叙によって従五位下に叙爵され、元明天皇から元正天皇の時代にかけて、讃岐守や弾正尹、民部大輔などの重要なポジションを務めます。

和銅5年（712年）には正五位下、養老4年（720年）には正五位上へと昇進し、養老7年（723年）には従四位下に昇格します。讃岐守としての任期中、和銅6年（713年）には、地元の寒川郡で発生した事件に関して、持統天皇の時代の戸籍改定の誤りを指摘し、訂正を求めることに成功しました。

神亀6年（729年）2月には、長屋王の変が発生し、道足は大宰大弐の多治比縣守や左大弁の石川石足らと共に臨時で参議に任命されます。続いて同年の正四位下、右大弁に叙任され、政界での影響力をさらに強めました。

天平2年（730年）には、勅命を受けて大宰府に下向することとなり、その際、大伴旅人の邸で催された歓迎の宴での出来事が『万葉集』に収録されています。彼は天平3年（731年）8月に旅人の後任として参議に任ぜられ、同年には南海道鎮撫使を兼任します。さらに議政官として右大弁も担当しましたが、天平7年（735年）には阿倍帯麻呂による暗殺事件に関連して、責任を問われ断罪される事態となります。しかし、聖武天皇の詔により赦免されました。

道足の没年は不詳ですが、天平13年（741年）に死亡したとの説もあります。最終的な官位は参議正四位下でした。

官歴

道足の官歴は以下の通りです。

• - 時期不詳：従六位上
• - 大宝4年（704年）正月7日：従五位下
• - 時期不詳：従五位上
• - 和銅元年（708年）3月13日：讃岐守
• - 和銅5年（712年）正月19日：正五位下
• - 和銅6年（713年）8月26日：弾正尹
• - 養老4年（720年）正月11日：正五位上、10月9日：民部大輔
• - 養老7年（723年）正月10日：従四位下
• - 神亀6年（729年）2月11日：権為参議、3月4日：正四位下、9月28日：右大弁
• - 天平2年（730年）：擢駿馬使
• - 天平3年（731年）8月11日：参議、11月22日：南海道鎮撫使

系譜

道足の家族については、父は大伴馬来田、母の名前は不詳です。子女には男子の大伴伯麻呂（718-782年）や女子の藤原鳥養室がいます。

参考文献

• - 宇治谷孟『続日本紀 （上）』講談社学術文庫、1992年

大伴道足の生涯は、彼の官歴や政治的な決断を通して、当時の日本の歴史を形作る一端を担ったことが示されています。

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