鷹島町

鷹島町（たかしまちょう）

鷹島町は、かつて長崎県の北松浦郡に属し、鷹島とその周辺の黒島を行政区域としていた町です。2006年1月1日に松浦市、福島町と新設合併し、現在は松浦市の一部となっています。

地理

鷹島は、豊かな自然に囲まれた島であり、美しい海岸線と緑豊かな丘陵が特徴です。しかし、末期には離島に多く見られる過疎化が深刻な問題となっていました。

歴史

中世

鷹島は、1281年の弘安の役における重要な舞台となりました。元寇の際、元軍が鷹島に上陸し、日本軍との間で激戦が繰り広げられました。

朝鮮半島から出航した元軍（東路軍）と、中国大陸の江南地方から出航した元軍（江南軍）は平戸島で合流し、太宰府を目指して進軍しました。しかし、鷹島沖で日本軍の激しい攻撃を受け、進撃を阻まれました（鷹島沖海戦）。『元史』によれば、元軍は太宰府への進軍を躊躇し、動けなかったとされています。その後、元軍は猛烈な台風に見舞われ、多くの軍船が沈没する大損害を受けました。鷹島に取り残された元軍は日本軍の総攻撃を受け、壊滅しました（鷹島掃蕩戦）。

鷹島沖では元軍の沈没船が発見されており、その大きさは25〜27メートルほどと推定されています。また、島内には鷹島掃蕩戦の戦跡が残っています。

近世

江戸時代に入ると、鷹島は平戸藩の領地となりました。

近現代

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、北松浦郡鷹島村が単独で村制を施行しました。

1943年（昭和18年）4月9日には、鷹島沖で連絡船「殿浦丸」が機関室からの浸水により沈没し、乗客ら104名が犠牲となる悲しい事故が発生しました。

1975年（昭和50年）1月1日、鷹島村は町制を施行し、鷹島町となりました。

2006年1月1日、松浦市、福島町との合併により、新たに松浦市が発足し、自治体としての鷹島町は廃止されました。

地域

鷹島町は、免（行政区画）を単位としており、大字は設置されていません。松浦市との合併後は、免の名称に「鷹島町」を冠し、「鷹島町○○免」と表記されています。

主な免は以下の通りです。

阿翁免
阿翁浦免
黒島免
神﨑免
里免
三里免
中通免
原免
船唐津免

交通

航空・鉄道

鷹島町には空港や鉄道路線はありません。

最寄りの空港は福岡空港、鉄道駅は松浦鉄道鷹島口駅、またはJR唐津駅となります。

道路

2009年（平成21年）4月18日、佐賀県唐津市肥前町との間に鷹島肥前大橋が開通し、陸路でのアクセスが向上しました。

一般県道
長崎県道・佐賀県道109号鷹島肥前線
長崎県道158号鷹島線

バス路線

昭和自動車
鷹島肥前大橋の開通に伴い、2009年4月20日から唐津市肥前町と鷹島を結ぶ路線の運行を開始しました。
鷹島バス
かつて鷹島町営バス（鷹島バス）が島内の路線を運行していましたが、松浦市営バスとなり、その後一部区間は昭和自動車へ、それ以外は廃止により設立した鷹島タクシーに移管されました。

航路

鷹島汽船
今福（松浦市・最寄り駅は鷹島口駅） - 殿ノ浦（鷹島町）
御厨（松浦市・最寄り駅は御厨駅） - 青島 - 舩唐津（鷹島町） - 黒島（鷹島町） - 阿翁（鷹島町）
かつては星賀（唐津市肥前町）と日比（鷹島町）を結ぶ航路もありましたが、鷹島肥前大橋の開通に伴い廃止されました。

名所・旧跡・観光スポット

鷹島モンゴル村（休業中）：元寇に由来し、モンゴルから輸入したゲルが設置されており、宿泊することができます。夕焼けの名所としても知られ、鷹島町特産の阿翁石で作られた「交流のシンボル塔」があります。
松浦市立鷹島歴史民俗資料館：海底調査で発見された元軍の遺物（「てつはう」と呼ばれる爆弾や、元の公用語であるパスパ文字で刻まれた元軍司令官の印鑑など）を展示しています。
元寇記念碑：島の一番高い場所にある元寇古戦場に建てられた碑です。
元軍の銅製如来像：元軍（実際には高麗人）が祭祀していた高麗式の銅製如来像で、盗難に遭いましたが、現在は市杵島神社境内の小さな堂に祀られています。

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