黍部

黍部（しょぶ）について

黍部は、漢字の部首分類の中で特定の漢字を集めたもので、特に穀物であるキビに関連しています。この部首は、中国語の康熙字典では214部首の中で202番目に位置付けられています。黍部に含まれる漢字は、キビに関するものであり、古代から重要な農作物としての地位を持っていました。

黍の意味

「黍」という漢字は、イネ科に属する穀物の一種であるキビを指します。キビは外皮を取り除いた実が食料として利用されるほか、酒の原材料にも用いられています。古代の中国、特に華北地方では、黄河文明の時代から殷周時代にかけて、アワと並んで重要な主食の一つとされています。

『説文解字』によれば、黍は「禾（いね）」の仲間であり、その特性として「ねばる」ことが強調されています。アワとの違いは、その粘り気にあるとされ、これにより「糯粟」や「糯米」といった解釈もされています。部首としての「黍」は、これらの特性を有する漢字を収めています。

字形と音

黍という漢字の形については、小篆仮名にて「禾」と「雨」の省略形から成り立っていると説明されています。また、孔子の言葉として「黍は酒となることができるため、禾、入、水から成る」と記されていることも、穴を掘った甲骨文に基づく記載があります。

この部首の音は地域により異なります。普通話では「shǔ」、広東語では「syu2」と発音されます。また、日本語においては「きび」、韓国語では「기장（gijang）」として知られています。

部首の通称と例字

黍部の通称は、日本語では「きび」、韓国語では「기장서부」、英語では「Radical millet」と呼ばれています。また、黍部に含まれる代表的な漢字には、黍の他に「黎」、「黏」、「黐」などがあります。

部首の中字音としては、広韻、語韻、上声で分類されます。さらに、最大の画数を持つ字には「𪐔」、「𪐕」、「𪐖」といった例があります。

このように、黍部は漢字の中でも特にキビに関連する素晴らしい文化的、歴史的意義を持った部首であり、漢字理解の一端を担っています。

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