黒川盛泰

黒川 盛泰の生涯

黒川 盛泰（くろかわ もりやす）は、文化11年（1814年）に生まれ、明治3年（1870年）に亡くなった幕末の旗本である。彼の官位は従五位下備中守で、後に近江守に昇進した。盛泰は江戸時代末期という tumultuous (激動の) 時代において、さまざまな政府の役職を務めたことで知られている。

初期の経歴

盛泰は安政5年（1858年）に目付に任命され、その後の文久元年（1861年）に江戸南町奉行に就任した。しかし、彼の職務履歴は順調には進まなかった。文久2年（1862年）には小姓組頭番に転任したが、同年11月23日に発生した桜田門外の変に関与したことで反井伊派から激しい非難を受け、罷免されてしまう。この事件では、彼が大老・井伊直弼の死を隠蔽したとして責められた。

日本とプロイセン王国との交渉

その後、盛泰は講武所奉行並として再起し、万延元年（1863年）には村垣範正、竹本正雅とともに日本とプロイセン王国との修好通商条約について、全権委員としての責務を果たした。この条約の締結は、日本と西洋諸国との関係を深める重要な一歩であった。

天狗党の乱とその後

元治元年（1864年）には、歩兵奉行を兼任するようになり、同年9月には大目付に任命された。この時期、彼は常陸国水戸藩で発生した天狗党の乱に対処する責任も担うことになった。盛泰は、幕府の追討軍を指揮して水戸、那珂湊を進撃し、越前国敦賀まで出向いて天狗党の鎮圧に取り組んだ。

しかし、反乱鎮圧の現場は非常に困難であった。水戸藩主の家臣たちも反天狗党に加わり、生じた混乱によって松平頼徳（水戸藩親族）は幕府追討軍に召喚された。その結果、彼は切腹を命じられ、黒川盛泰はこの切腹の伝達役と検使役を任された。

晩年の職務

慶応元年（1865年）、盛泰は勘定奉行を兼任し、慶応3年（1867年）8月までその職務を果たした。その後、撒兵差図役として機能した後、慶応4年（1868年）から3月5日まで再任されて江戸南町奉行として職務に励んだ。彼の官職が多岐にわたっていることから、彼は幕末の有力な政治家としての側面を持っていたことが伺える。

晩年には致仕し、隠居生活を送ったが、家督は子の釣次郎に引き継がれた。黒川盛泰の生涯は、困難な時代における一人の武士の奮闘を象徴しており、幕末の動乱の中での日本の歴史における重要な一ページを築いた人物である。

参考文献

• - 幕末維新人名事典（宮崎十三八、安岡昭男著・新人物往来社・1994年01月）
• - 寛政譜以降旗本家百科事典（小川恭一著・東洋書林・1997年10月）

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