黒田長舒

黒田長舒：秋月藩中興の祖

黒田長舒（くろだながのぶ）は、江戸時代後期、筑前秋月藩の第8代藩主として藩政を担った人物です。日向高鍋藩主・秋月種茂の次男として生まれましたが、その生涯は秋月藩の歴史において重要な転換期と深く結びついています。

秋月藩主への就任

長舒の父である種茂の母は、秋月藩主・黒田長貞と正室・瑞耀院（上杉綱憲の娘）の娘・春姫でした。この血縁関係が、長舒が秋月藩主となるきっかけを作りました。

天明4年（1784年）、第7代藩主・黒田長堅が嗣子なく急逝し、秋月藩は断絶の危機に瀕します。この事態を収拾するため、長舒は秋月家の血筋を引く者として、天明5年（1785年）3月17日に藩主の座を継ぐこととなりました。これにより、秋月種実が天正15年（1587年）に秋月を離れて以来、約200年ぶりに秋月氏一族が秋月藩主として復活を遂げたのです。同年4月1日には、将軍徳川家治に御目見えを果たしています。

天明6年12月18日には、従五位下・甲斐守に叙任され、藩主としての地位を確立しました。

福岡藩との関係

宗家である福岡藩では、黒田斉隆・斉清親子が幼くして藩主を継いだため、長舒は福岡藩の補佐役として重要な役割を担いました。長崎警備をはじめとする藩政の様々な分野で、その手腕を発揮したとされています。

その他の活動

長舒は、文化人としても知られ、儒学者・亀井南冥から教えを受けていました。学問にも深く通じていたことが伺えます。

死去とその後

文化4年（1807年）10月16日、長舒は43歳でこの世を去りました。跡は次男の長韶が継ぎましたが、その死は文化5年（1808年）2月4日まで秘匿されていたと伝えられています。

系譜

実父：秋月種茂
実母：盈子 - 松平明矩の娘
養父：黒田長堅
正室：美須子、大円院 - 松平忠啓の娘
継室：采子、慈明院 - 山内豊雍の娘
側室：森寺氏
子女：
長男：黒田長媛
次男：黒田長韶（生母は大円院）
娘：唐橋在経室

外部リンク

* ふるさと人物誌7　秋月藩中興の祖　「黒田　長舒」（くろだ　ながのぶ） - 福岡県朝倉市


長舒の生涯は、秋月藩の危機を救い、その復興に尽力した中興の祖としての功績を物語っています。その優れたリーダーシップと人柄は、今日においても語り継がれるべきでしょう。

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