鼓吹司

鼓吹司について

鼓吹司（くすいし）は、日本の律令制の下で兵部省に属する機関の一つであり、主に鼓吹技術を調習・教える役割を担っていました。この制度は、軍の指揮において鼓吹を利用するための信号体系を取り入れたものであり、非常に重要な役割を果たしていました。

職掌の詳細

鼓吹司は、陣法と呼ばれる指揮体系を教える機関でありました。そこでは、鼓吹戸と呼ばれる人数が専門的に教育を受け、鼓吹師や鼓吹生も所属していました。『令集解』にあるように、軍団内でもこの陣法に依存して兵士たちを訓練し、毎年3月1日に「鼓吹司試生儀」と称する行事を行うことが恒例となっていました。

軍隊の運営において「吹」という言葉は、大角（おおづの）や小角（こづの）に関連しています。軍の旅を整える際には、主にこの角を吹くことで指示が伝達され、戦争に臨む際には、鉦鼓をもって指揮しました。また、喪葬行事においては、親王や高位の貴族の葬式にも鉦鼓が使用されました。

組織構成

鼓吹司は、職員として正・佑・大令史・少令史が各一名ずつ配置され、さらに使部が10名、直丁と鼓吹戸を含む構成となっていました。鼓吹戸は特別に調を免除され、549戸から成り立っていました。さらに、延暦15年（796年）には伴部として34名の吹部が設けられ、同19年には大笛長上が廃止され、鉦鼓長上が新設されました。これらの官位は、吹角長上と同一の扱いを受けました。

その後、大同3年（808年）には治部省喪儀司が統合され、翌年には新たに二名の史生が設置されました。しかし、寛平8年（896年）には左右兵庫および造兵の2司とともに、鼓吹司は最終的に兵庫寮に編入されました。

職員の役職

鼓吹司の職員は以下のように配置されていました：

• - 正（正六位上相当） 1名
• - 佑（従七位下相当） 1名
• - 大令史（大初位上相当） 1名
• - 少令史（大初位下相当） 1名
• - 使部 10名
• - 直丁 1名
• - 鼓吹戸 300戸
• - 鼓吹師
• - 鼓吹生
• - 吹部 34名
• - 新設の史生 2名

また、大笛長上の役職は鉦鼓長上に変更され、吹角長上も設けられました。

参考文献

鼓吹司に関する詳細な情報は、以下の文献に記載されています。

• - 『国史大辞典』第四巻p769（著：米田雄介、吉川弘文館、1983年）
• - 『岩波日本史辞典』p445（監修：永原慶二、岩波書店、1999年）
• - 『日本後紀』全現代語訳（上）・（中）（訳：森田悌、講談社学術文庫、2006年）

関連項目

鼓吹司に関連する項目には、次のようなものがあります：

• - 鼓
• - 大角 (楽器)
• - 小角 (楽器)
• - 軍楽隊
• - 音楽隊 (陸上自衛隊)
• - 音楽隊 (海上自衛隊)
• - 音楽隊 (航空自衛隊)
• - Osaka Shion Wind Orchestra

このように鼓吹司は、古代日本における軍の指揮と文化の一端を担っていました。

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