1903年の相撲

1903年の相撲界：激動の一年

1903年は、相撲界にとって多くの出来事があった年でした。東京と大阪でそれぞれ本場所が開催され、多くの力士が土俵で活躍しました。また、後の相撲界を担う多くの力士たちが誕生し、一方で、長年相撲界を支えてきた力士たちがこの世を去りました。

本場所の動向

1903年の本場所は、東京と大阪でそれぞれ開催されました。東京相撲では、1月と5月に本所回向院で興行が行われ、いずれも晴天に恵まれ、10日間興行されました。一方、大阪相撲では、1月は南地五階南入空地、5月には南地五階北手空地で興行が行われ、こちらも晴天10日間興行でした。

さらに、6月には東京大阪合併相撲が南地南海駅前五階北手空地で開催され、第5回内国勧業博覧会の余興として行われました。この合併相撲は、東西の力士が一同に会して技を競い合う貴重な機会となりました。

誕生した力士たち

1903年は、後の相撲界を盛り上げた多くの力士が誕生した年でもありました。

1月25日：常陽山正治 - 最高位は十両筆頭。出羽海部屋に所属し、1972年まで活躍しました。
2月19日：若瀬川栄蔵 - 最高位は前頭筆頭。楯山部屋から伊勢ヶ濱部屋に移籍し、1990年まで活躍しました。
4月10日：初代木村今朝三 - 元三役格行司で、1971年まで相撲界に貢献しました。
4月11日：立汐唯五郎 - 最高位は十両5枚目。振分部屋に所属し、1935年に亡くなりました。
5月20日：大矢崎信哉 - 最高位は十両2枚目。複数の部屋を渡り歩き、没年は不明です。
8月8日：三池山大五郎 - 最高位は十両9枚目。陸奥部屋に所属し、1951年に亡くなりました。
8月17日：雷ノ峰伊助 - 最高位は前頭3枚目。複数の部屋を渡り歩き、1940年に亡くなりました。
9月17日：男女ノ川登三 - 第34代横綱。高砂部屋と佐渡ヶ嶽部屋を行き来し、1971年に亡くなりました。
10月1日：太刀若峯五郎 - 最高位は前頭6枚目。複数の部屋を渡り歩き、1988年に亡くなりました。
11月1日：天竜三郎 - 最高位は関脇。出羽海部屋に所属し、1989年に亡くなりました。
12月15日：玉錦三右エ門 - 第32代横綱。二所ノ関部屋と粂川部屋を行き来し、1938年に亡くなりました。

これらの力士たちは、後に相撲界で大きな足跡を残すことになります。

逝去した力士たち

一方で、1903年には、相撲界を長年支えてきた力士たちがこの世を去りました。

7月4日：響舛市太郎 - 最高位は関脇。中立部屋、境川部屋、高砂部屋を渡り歩き、1859年生まれでした。
8月9日：浦風林右エ門 - 最高位は関脇。浦風部屋に所属し、年寄としても活躍しました。1841年生まれでした。
10月21日：陣幕久五郎 - 第12代横綱。秀ノ山部屋に所属し、1829年生まれでした。

これらの力士たちは、相撲界の歴史にその名を刻み、多くの人々に記憶される存在です。

まとめ

1903年は、相撲界にとって、新たな才能が芽生え、一方で、歴史を築いてきた力士たちが去るという、世代交代の年でした。東京と大阪での興行、そして合併相撲など、相撲界全体が大きく動いた一年でした。

参考文献
* 酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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