1924年の相撲

1924年の相撲界

1924年（大正13年）の相撲界は、前年に発生した関東大震災の影響を大きく受けた年でした。震災により、東京の国技館が被災したため、春場所は名古屋で開催されるという異例の事態となりました。これは東京相撲史上初の都外開催であり、当時の相撲界の混乱と苦難を物語っています。

できごと

春場所の名古屋開催

前年の関東大震災により、東京の国技館が使用不能となったため、1924年1月場所は名古屋で開催されました。これは東京相撲にとって初の都外開催となり、相撲ファンにとっても衝撃的な出来事でした。この場所では、西方が79対73で勝利し、旗手は大ノ里万助が務めました。個人優勝は栃木山守也が飾っています。

台覧相撲

5月には、両国[[国技館]]で皇族の方々が相撲を観覧する台覧相撲が行われました。5月25日には、東伏見宮家、朝賀宮家、久邇宮家、李王家の皇族が5月場所10日目を観覧されました。また、5月27日には、摂政皇太子裕仁親王（後の昭和天皇）が海軍記念日余興相撲を観覧されました。これらの台覧相撲は、相撲が皇室からも重要視されていたことを示すものであり、相撲界にとって大きな名誉となりました。

各場所の結果

1月場所（東京相撲）: 名古屋市で開催。西方79対73で勝利。個人優勝は栃木山守也。
1月場所（大阪相撲）: 新世界国技館で開催。
5月場所（大阪相撲）: 新世界国技館で開催。
5月場所（東京相撲）: 両国[[国技館]]で開催。東方101対85で勝利。個人優勝は栃木山守也。
6月場所（東京大阪合併相撲）: 新世界国技館で開催。

その他の相撲披露

10月30日から11月3日にかけて、明治神宮競技大会が開催され、青年団対抗、陸海軍対抗、学生相撲対抗などの相撲競技が行われました。これらの競技は、相撲が幅広い層に親しまれていたことを示しています。

誕生

1924年は多くの力士や相撲関係者が誕生しました。以下に主な人物を列挙します。

1月17日: 木村筆之助（元・幕内格行司）
1月31日: 森ノ里信義（最高位：十両10枚目）
2月2日: 瀬戸錦年光（最高位：十両9枚目）
2月11日: 藤田山忠義（最高位：前頭12枚目）
3月3日: 吉井山朋一郎（最高位：前頭11枚目）
3月6日: 玉ノ川正行（最高位：十両7枚目）
3月14日: 東海稔（最高位：前頭14枚目）
3月31日: 平鹿川泰二（最高位：前頭13枚目）
5月3日: 大田山一朗（最高位：前頭20枚目）
5月20日: 一錦周之助（最高位：十両7枚目）
6月9日: 若嵐武（最高位：前頭18枚目）
6月27日: 鶴美山侑宏（最高位：十両16枚目）
7月20日: 松登晟郎（最高位：大関）
8月6日: 不動岩三男（最高位：関脇）
8月28日: 黒瀬川進（最高位：十両5枚目）
9月25日: 潮錦義秋（最高位：小結）
10月16日: 7代式守勘太夫（元・三役格行司）
10月27日: 楯甲幸男（最高位：前頭18枚目）
11月14日: 力道山光浩（最高位：関脇）

死去

1924年には、相撲界で活躍した多くの人々が亡くなりました。

1月1日: 花ノ山春治（最高位：十両5枚目）
1月11日: 高見山酉之助（最高位：関脇）
2月25日: 櫻川五良藏（最高位：前頭2枚目）
7月18日: 17代木村庄之助（元・立[[行司]]）
9月25日: 國見山悦吉（最高位：大関）
11月20日: 玉ノ川脇太郎（最高位：前頭17枚目）

まとめ

1924年は、関東大震災の影響により、相撲界も大きな変動を経験した年でした。春場所の名古屋開催という異例の事態や、皇族による台覧相撲の実施、そして多くの力士や関係者の誕生と死を通して、相撲界の歴史を深く感じることができる年と言えるでしょう。

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