1943年の日本公開映画

1943年（昭和18年）は、第二次世界大戦が激化する中でも、日本国内では多くの映画作品が製作され、劇場で公開されました。この年には、戦争協力を目的とした国策映画だけでなく、娯楽作品や文化映画など、様々なジャンルの映画がスクリーンを飾り、人々の生活に影響を与えました。国外の作品も、当時の政治情勢を反映した国々から一部輸入され、公開されています。

1943年に日本で公開された主な映画

以下に、1943年1月1日から12月31日までの間に日本で商業公開された主な映画作品の一部を月ごとに示します。作品名の後ろには、その製作国を括弧で明記しています。

1月
美貌の敵（ドイツ）
伊那の勘太郎（日本）
成吉思汗（日本）
阿片戦争（日本）
開戦の前夜（日本）
青空交響楽（日本）
2月
祖先お誕生（イタリア）
歌行燈（日本）
戦ひの街（日本）
ハナ子さん（日本）
3月
音楽大進軍（日本）
姿三四郎（日本）
桃太郎の海鷲（日本、アニメ）
4月
兵六夢物語（日本）
くもとちゅうりっぷ（日本、アニメ）
シンガポール總攻撃（日本）
5月
二刀流開眼（日本）
6月
潜水艦西へ!!（ドイツ）
若き日の歓び（日本）
マライの虎（日本）
7月
サヨンの鐘（日本）
決闘般若坂（日本）
名人長次彫（日本）
おかしな赤頭巾（アメリカ）
花咲く港（日本）
8月
急降下爆撃隊（ドイツ）
誓ひの合唱（日本）
9月
世界に告ぐ（ドイツ）
奴隷船（日本）
決戦の大空へ（日本）
10月
熱風（日本）
進め独立旗（日本）
仮面の舞踏（日本）
無法松の一生（日本）
11月
重慶から来た男（日本）
生きてゐる孫六（日本）
12月
若き姿（朝鮮映画）
海軍（日本）
* 浪曲忠臣蔵（日本）

このリストからは、日本映画が大部分を占める中で、ドイツ映画が比較的多く公開されていたことがわかります。また、イタリア、アメリカ、そして朝鮮映画も含まれており、当時の国際関係や文化交流の一端を垣間見ることができます。

注目すべき作品としては、黒澤明監督のデビュー作である『姿三四郎』や、その後も名作として語り継がれる『無法松の一生』などがこの年に公開されています。また、『桃太郎の海鷲』や『くもとちゅうりっぷ』といったアニメーション作品も製作・公開されており、多様な表現手法が用いられていたことがうかがえます。

1943年の映画公開は、戦時下の厳しい状況下で行われましたが、これらの作品は当時の人々の感情や社会の雰囲気を今に伝えています。公開された映画の種類や製作国の分布は、当時の日本の映画産業の状況や国際的な繋がりを示す貴重な資料と言えるでしょう。

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