決戦の大空へ

映画『決戦の大空へ』について

『決戦の大空へ』は、1943年（昭和18年）9月16日に公開された、東宝製作のモノクロ戦争[[映画]]です。本作は、帝国海軍の少年航空兵を育成する予科練習生（予科練）たちの生活と訓練、そして彼らと交流する家族の姿を描いています。

概要

この映画は、前作『ハワイ・マレー沖海戦』に引き続き、土浦海軍航空隊の全面的な協力を得て撮影されました。実際の映像は使用せず、空中戦のシーンは全て特撮で表現されています。しかしながら、ミニチュアの精度は前作には及ばず、特に敵国機については資料不足から細部の描写が甘くなっている部分も見られます。

映画の挿入歌として使用された『若鷲の歌』は大ヒットを記録し、当時広く親しまれました。
同時上映作品は『空征く少年通信兵』でした。

あらすじ

映画は、予科練の少年たちが厳しい訓練に励む姿と、彼らを支える家族との交流を中心に展開します。主人公である少年航空兵たちは、それぞれの思いを胸に、大空へと飛び立つ日を目指して日々鍛錬に励みます。彼らを温かく見守る家族の姿を通して、戦時下における人々の心情が描かれています。

出演者

本作には、以下のような俳優が出演しています。

村松杉枝：原節子
弟・克郎：小高まさる
妹・しげ子：落合富子
母・はる：英百合子
たつ：高津慶子
善吉の母：田中筆子
第21分隊第3班長（三田村上等飛行兵曹）：高田稔
司令（大佐）：進藤英太郎
副長（中佐）：小島洋々
飛行隊長（少佐）：下田猛
教官兼分隊長（大尉）：清水将夫
第21分隊長（南大尉）：黒川弥太郎
先任当直士官（加藤大尉）：清川荘司
第16分隊第6班長（石田上等飛行兵曹）：河野秋武
倉井宗作練習生（飛行兵長）：松尾文人
小川米秋練習生（同）：木村功
田中利一練習生（同）：武江義雄

スタッフ

映画制作には、以下のスタッフが携わりました。

製作企画：山下良三
脚本：八住利雄
演出：渡辺邦男
撮影：河崎喜久三
音楽：伊藤昇
美術：安倍輝明
後援：海軍省

映像ソフト

本作は、VHSとDVDで発売されています。

VHS：キネマ倶楽部から発売（品番 1544）
DVD：2006年に東宝から発売

脚注・参考文献

『東宝編 日本特撮映画図鑑 BEST54』特別監修 川北紘一、成美堂出版〈SEIBIDO MOOK〉、1999年2月20日。ISBN 4-415-09405-8。
『円谷英二特撮世界』勁文社、2001年8月10日。ISBN 4-7669-3848-8。

関連項目

映画に関連する項目は以下の通りです。

茨城県立土浦第一高等学校：主人公の弟である克郎が通う土浦中学校の生徒。映画に登場する本館は重要文化財に指定されています。
九三式中間練習機
九六式陸上攻撃機
軍人勅諭
海軍記念日
軍艦行進曲
土浦市
阿見町
霞ケ浦
神田須田町
亀城公園
月月火水木金金
闘球
慰問袋

外部リンク

決戦の大空へ - allcinema
決戦の大空へ - KINENOTE



この映画は、戦時下の日本の状況と、そこで生きた人々の姿を映し出す貴重な作品と言えるでしょう。

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