1967年の日本公開映画

1967年（昭和42年）は、日本国内で多くの映画作品が商業公開された年でした。提供された一覧は、その年に劇場で上映された作品群の一部を示すものです。この一覧からは、当時の日本映画市場の活況と、国内外の多様な作品が観客に提供されていた様子がうかがえます。

この年公開された映画作品は、製作国もジャンルも非常に多岐にわたっています。日本映画は依然として大きな割合を占めており、様々なジャンルの作品が量産されていました。同時に、アメリカ合衆国、イタリア、フランス、イギリスといった欧米諸国を中心に、国際色豊かな洋画も多数公開されました。イタリア、フランス、スペイン、西ドイツなどのヨーロッパ諸国間での合作も目立ち、特にマカロニ・ウェスタンやアクション映画などでその傾向が顕著でした。ソビエト連邦やアルジェリア、カナダなどの作品も含まれており、当時の日本の映画配給が世界中の作品を扱っていたことがわかります。

日本映画の特徴としては、シリーズ作品の強さが挙げられます。「社長」シリーズ、「駅前」シリーズ、「若大将」シリーズ、「クレージー」シリーズといったコメディ・青春ものが引き続き人気を博しました。また、「座頭市」シリーズ、「兵隊やくざ」シリーズ、「悪名」シリーズ、「日本侠客伝」シリーズ、「博奕打ち」シリーズ、「若親分」シリーズなど、任侠・時代劇アクションも盛んに製作・公開されています。これらのシリーズは、特定の俳優やキャラクターを中心に据え、安定した観客動員が見込めた当時の映画産業のビジネスモデルを反映していると言えるでしょう。その他にも、サスペンス、アクション、ドラマなど幅広いジャンルの邦画が制作されました。

洋画に目を向けると、アメリカ映画が量的に最も多く、スパイアクション（例：「サイレンサー/殺人部隊」、「おしゃれスパイ危機連発」）、大作戦争映画（例：「特攻大作戦」、「トブルク戦線」）、西部劇（例：「続・荒野の七人」、「戦う幌馬車」、「砦のガンベルト」）、サスペンス（例：「夜の大捜査線」）、ドラマなど、多様な作品が公開されました。特に007シリーズの「007は二度死ぬ」は、舞台が日本であったこともあり大きな話題となりました。イタリアとスペインの合作によるマカロニ・ウェスタンも多数紹介されています（例：「ミネソタ無頼」、「真昼の用心棒」、「帰って来たガンマン」、「続・夕陽のガンマン」など）。フランスからはヌーヴェルヴァーグの旗手であるジャン＝リュック・ゴダールの「気狂いピエロ」のような芸術性の高い作品も公開されています。

また、この年は特撮・SF映画が豊作だったことも特筆されます。日本の怪獣映画としては、「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス|大怪獣空中戦_ガメラ対ギャオス」、「宇宙大怪獣ギララ」、「大巨獣ガッパ」、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」、「キングコングの逆襲」（日米合作）などが次々とスクリーンに登場しました。アニメ作品としては、「サイボーグ009 怪獣戦争」や「少年ジャックと魔法使い」、そしてTVシリーズの人気を受けて「長篇怪獣映画ウルトラマン」も公開されています。こうした作品群は、当時の子供たちの人気を集めると同時に、日本の特撮・アニメーション技術の発展を示すものでした。

総じて1967年は、日本映画がシリーズ作品を中心に安定した供給を続けつつ、洋画もアメリカをはじめとする各国からバラエティ豊かな作品が導入され、観客が様々な選択肢を持てた、活気に満ちた一年であったと言えるでしょう。一覧からは、特定のジャンルに偏らず、コメディからシリアスドラマ、アクションから特撮、アート系まで、幅広い層の観客に対応しようとする当時の映画業界の姿勢が読み取れます。

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