1967年の音楽

1967年の音楽: GSブームと洋楽の隆盛、そして巨匠たちの逝去

1967年、日本の音楽シーンはグループサウンズ(GS)ブームの真っただ中にありました。ジャッキー吉川とブルーコメッツの「ブルー・シャトウ」の大ヒットは、GSの隆盛を象徴する出来事と言えるでしょう。この曲は社会現象となるほどのブームを巻き起こし、GSがレコード大賞を受賞するまでになりました。さらに、ビートルズ以来となる、ザ・タイガース、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、ザ・スパイダースといった人気GSたちが共演した日本武道館コンサートが開催されるなど、GSは日本の音楽界を席巻しました。

一方、世界に目を向けると、1967年は様々な音楽的潮流が交錯した年でした。アメリカでは、The Doorsがデビューアルバム『The Doors』をリリース。彼らの革新的なサウンドは、後のロック音楽に大きな影響を与えました。また、サンフランシスコでは、The Human Be-Inというイベントが開催され、Timothy LearyやAllen Ginsbergといった著名なカウンターカルチャーの担い手たちがスピーチを行い、ジェファーソン・エアプレーン、グレイトフルデッドなどのバンドが演奏しました。このイベントは、ヒッピー文化の象徴的な出来事として知られています。さらに、ローリング・ストーンズがエド・サリバン・ショーに出演するなど、洋楽も大きな話題となりました。

1967年のビルボード年間チャートをみると、ルル「いつも心に太陽を」、ボックス・トップス「あの娘のレター」、ボビー・ジェントリー「ビリー・ジョーの唄」、アソシエイション「ウィンディー」、ザ・モンキーズ「アイム・ア・ビリーヴァー」といった楽曲がトップ5を飾っており、これらの曲は現在もなお高い人気を誇ります。これらの楽曲は、時代の空気感を反映した、多様な音楽性を示すものでした。

しかし、1967年は多くの音楽家を亡くした年でもありました。1月にはソプラノ歌手のメアリー・ガーデン、3月には作曲家のコダーイ・ゾルターン、4月にはヴァイオリニストのミッシャ・エルマンが他界。その後も、作曲家・ピアニストのビリー・ストレイホーン、指揮者のアンドレ・クリュイタンス、ジャズ・サックス奏者のジョン・コルトレーン、シンガーソングライターのウディ・ガスリー、指揮者のマルコム・サージェント、ピアニストのハリエット・コーエン、作曲家のエドヴィン・カルステニウス、歌手オーティス・レディング、そして指揮者・作曲家のヴィクトル・デ・サバタなど、数多くの音楽界の巨匠たちがこの世を去りました。これらの音楽家の死は、音楽界に大きな衝撃を与え、多くのファンを悲しませました。

この年は、新たな才能が誕生した年でもありました。ジャニーズ、東京ビートルズといったグループが結成され、音楽シーンに華を添えました。また、アンドリューズ・シスターズ、ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団、ザ・クッキーズ、ザ・クリスタルズ、ザ・トラッシュメン、ザ・ハニーカムズ、スリー・グレイセス、パリ音楽院管弦楽団、ブダペスト弦楽四重奏団、ワイルド・フラワーズといったアーティストのデビューや、活動休止、解散などが音楽史に刻まれました。

1967年は、GSブームという日本の音楽シーンを塗り替えるような出来事があった一方、世界の音楽シーンでは革新的なサウンドが生まれ、そして多くの巨匠たちがこの世を去った年でした。これらの出来事は、今日の音楽シーンに多大な影響を与え続けています。 この年を振り返ることで、音楽史における重要な転換期であったことを改めて認識することができるでしょう。

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