1972-1973シーズンのNBA

1972-1973 NBAシーズン

1972-1973シーズンは、NBAにとって27回目のシーズンでした。このシーズンは、様々な出来事や記録が生まれたシーズンとして記憶されています。

シーズン前の動き

ドラフト

1972年のNBAドラフトでは、ポートランド・トレイルブレイザーズがラルー・マーティンを全体1位で指名しました。その他、ボブ・マカドゥーやポール・ウェストファルなどもこのドラフトで指名されています。後の"Dr. J"ことジュリアス・アービングは、ミルウォーキー・バックスから全体12位で指名されましたが、ABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）のバージニア・スクワイアーズに入団しました。

その他

シンシナティ・ロイヤルズは、シンシナティからネブラスカ州オマハ、ミズーリ州カンザスシティへと本拠地を移転し、カンザスシティ＝オマハ・キングス（後のサクラメント・キングス）とチーム名を変更しました。

シーズンのハイライト

オールスターゲーム

開催日：1月23日
開催地：シカゴ
結果：イースト 104 - 84 ウエスト
MVP：デイブ・コーウェンス（ボストン・セルティックス）

各カンファレンスの順位

（イースタン・カンファレンス、ウエスタン・カンファレンスの順位表は省略）

スタッツリーダー

（得点王、リバウンド王などのスタッツリーダーは省略）

各賞

最優秀選手：デイブ・コーウェンス（ボストン・セルティックス）
ルーキー・オブ・ザ・イヤー：ボブ・マカドゥー（バッファロー・ブレーブス）
最優秀コーチ賞：トム・ヘインソーン（ボストン・セルティックス）
オールNBAファーストチーム：
カリーム・アブドゥル＝ジャバー（ミルウォーキー・バックス）
スペンサー・ヘイウッド（シアトル・スーパーソニックス）
ジョン・ハブリチェック（ボストン・セルティックス）
ネイト・アーチボルト（シアトル・スーパーソニックス）
ジェリー・ウェスト（ロサンゼルス・レイカーズ）
オールNBAルーキーチーム：
ドワイト・デービス（クリーブランド・キャバリアーズ）
ボブ・マカドゥー（バッファロー・ブレーブス）
フレッド・ボイド（フィラデルフィア・76ers）
ジム・プライス（ロサンゼルス・レイカーズ）
ロイド・ニール（ポートランド・トレイルブレイザーズ）
NBAオールディフェンシブファーストチーム：
デイブ・ディバッシャー（ニューヨーク・ニックス）
ジョン・ハブリチェック（ボストン・セルティックス）
ウィルト・チェンバレン（ロサンゼルス・レイカーズ）
ジェリー・ウェスト（ロサンゼルス・レイカーズ）
* ウォルト・フレイジャー（ニューヨーク・ニックス)

シーズン概要

ボストン・セルティックスが完全復活を遂げ、当時のチーム最多タイ、リーグ史上2位タイとなる68勝を記録しました。エースセンターのデイブ・コーウェンスは20.5得点、16.2リバウンドを記録し、MVPに輝きました。また、トム・ヘインソーンが最優秀コーチ賞を受賞するなど、セルティックス黄金時代の再来を予感させるシーズンとなりました。

ウィルト・チェンバレンは、得点アベレージこそ13.2得点まで低下したものの、FG成功率は72.7%という驚異的な数字を記録しました。

カンザスシティ＝オマハ・キングスのネイト・アーチボルトは、リーグ史上初となる得点王とアシスト王の同時達成という偉業を成し遂げました。

リーグ全体の平均得点は107.6点となり、1958-59シーズン以来の110点割れとなりました。これは、ボストン・セルティックスやニューヨーク・ニックスなど、ディフェンス力の高いチームが成功を収めたことが影響し、各チームがディフェンスを重視するようになったためと考えられています。

セントラル・ディビジョンの躍進

長らく低迷していたセントラル・ディビジョンでは、ボルチモア・ブレッツとアトランタ・ホークスが躍進を見せました。

73敗という記録と格差社会

前シーズンに69勝を挙げたロサンゼルス・レイカーズとは対照的に、フィラデルフィア・76ersは9勝73敗というリーグ史上最低の成績を記録しました。このシーズンは、チーム間の格差が浮き彫りになったシーズンでもありました。

プレーオフ・ファイナル

プレーオフ出場権の獲得方式が変更され、デビジョン優勝チームは自動的に出場権を獲得、残りの席はカンファレンスの勝率上位順に与えられるようになりました。

ファイナルは、ニューヨーク・ニックスとロサンゼルス・レイカーズが2年連続3度目の対戦となりました。ニックスが第7戦までもつれた末にセルティックスを破ったのは4月29日。ファイナル第1戦は5月1日で、ニックスは東海岸にあるボストンから西海岸にあるロサンゼルスへ移動し、翌日には試合に出るという強行軍を強いられました。

ニックスは、当時リーグ最高峰のディフェンス力を誇り、レイカーズの得点を95点以下に抑え、4連勝を飾って3年ぶり2度目の優勝を飾りました。ウィリス・リードは2度目のファイナルMVPを受賞しました。

この優勝はニューヨーク・ニックス最後の優勝であり、またロサンゼルス・レイカーズにとっては1970年代最後のファイナル進出となりました。

ラストシーズン

ハル・グリア、ウィルト・チェンバレン、ジョニー・グリーン、テリー・ディッシンガー、ケヴィン・ローリー、ガス・ジョンソンといった選手たちが、このシーズンを最後に現役を引退しました。

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