1993年のイギリスツーリングカー選手権

1993年オートトレーダーRACイギリスツーリングカー選手権：激動のシーズンとBMWの栄光

1993年のイギリスツーリングカー選手権(BTCC)は、36シーズン目を迎え、3月28日のシルバーストン・サーキットで開幕しました。全14戦にわたる熱戦の末、BMW 318isを駆るヨアヒム・ヴィンケルホックがドライバーズタイトルを獲得、BMWは前年に続き、2年連続の栄冠を手にしました。しかし、このシーズンはBMWにとっても、そして選手権全体にとっても、数々のドラマと変化に満ちた年となりました。

シーズンの大きな出来事

まず、1992年末のレギュレーション変更に不満を持ったBMW GBは選手権から撤退。これにより、BMWのワークスチームであったプロドライブは、スバルとのラリー活動に集中することになります。

一方、ヴィク・リー・モータースポーツはオーナーの薬物スキャンダルを受け清算。その資産はスティーヴ・ニールとレイ・ベルムに引き継がれ、「チーム・ダイナミクス」として再出発。チームは1992年仕様の318iSで参戦しましたが、シーズン途中で2台体制に縮小しました。

[BMW]]の撤退はBTCCにとどまりませんでした。ドイツツーリングカー選手権]でも、[[シュニッツァー・モータースポーツによるワークス参戦が終了。これもレギュレーション変更が原因でした。しかし、BMWはソパーとヴィンケルホックをワークスドライバーとしてBTCCに送り込み、選手権に参戦し続けました。

トヨタは主力チューナーであるトムスとの契約を失い、ドライバーの変更を余儀なくされます。一方、フォードはワークス契約を結びながら、新型モンデオの投入がシーズン開始に間に合いませんでした。

ボクスホールは既存のドライバーを維持し、プジョーは3台体制で参戦。日産も3台体制を敷き、さらにマツダやルノーといった新規参入メーカーも選手権を盛り上げました。ルノーはアラン・メニュとティム・ハーベイという強力なドライバー陣を擁し、期待を集めました。

各レースのハイライト

開幕戦シルバーストンではBMWが1-2フィニッシュを達成。しかし、続くドニントン・パークでは、雨の中、ミシュランタイヤを履いたルノーが1-2フィニッシュと、タイヤの性能が勝敗を大きく左右する場面もみられました。

スネッタートンではスタート時の多重クラッシュが発生。ソパーが優勝し、ベイリーが2位、レズリーが3位となりました。ドニントン・パーク、オウルトン・パークでもヴィンケルホックが勝利し、タイトル争いをリード。

ブランズ・ハッチのダブルヘッダーでは、ヴィンケルホックとレズリーの激しいバトルが展開されました。ヴィンケルホックの勝利にレズリーが不満を訴える場面もありました。

ペンブレイではフォードがデビュー。シルバーストンでは日産が初優勝を飾るなど、各レースでドラマが繰り広げられました。ノックヒル、オウルトン・パークでも、各メーカーが勝利を目指し、激しい戦いを繰り広げました。

ブランズ・ハッチでは再びヴィンケルホックとレズリーが接触。最終戦シルバーストンでは、再スタート後、フォードが1-2フィニッシュを達成するなど、最後まで予測不可能な展開が続きました。

最終結果

最終的に、ヨアヒム・ヴィンケルホックがドライバーズタイトルを獲得。スティーブ・ソパーが2位、ポール・ラディシッチが3位となりました。

この1993年シーズンは、メーカーの撤退と参入、レギュレーション変更、そしてドライバーたちの激しい戦いが織りなす、記憶に残るイギリスツーリングカー選手権となりました。各チーム、ドライバーの戦略、そしてレース中のアクシデントなどが、最終結果に大きく影響を与えた、ドラマチックなシーズンでした。

もう一度検索