1995年の日本

1995年（平成7年）の日本

1995年は、平成時代も7年目を迎えた年であり、日本では忘れられないほどの大きな出来事が相次ぎ、人々の心に深い爪痕を残しました。

紀年法と暦

この年は西暦1995年にあたり、日本の元号では平成7年でした。皇紀では2655年、干支は乙亥（きのとい）です。これらの紀年法は、西暦と月日が一致しています。

国内の主要な人物

当時の国家の象徴は天皇明仁陛下でした。政府の長である内閣総理大臣は日本社会党の村山富市氏が務め、内閣官房長官は五十嵐広三氏から野坂浩賢氏へと交代しました。国会の要職では、衆議院議長を土井たか子氏（日本社会党）、参議院議長を原文兵衛氏から斎藤十朗氏（共に自由民主党）が担いました。最高裁判所長官は草場良八氏から三好達氏へと引き継がれています。

社会の動向と世相

この年の社会は、年明け早々の阪神・淡路大震災、そして地下鉄サリン事件に代表される一連のオウム真理教関連事件により、極度の社会不安に覆われました。しかし、一方で情報化社会の波は確実に押し寄せ、マイクロソフトから発売された「Microsoft Windows 95」は、パソコンのオペレーティングシステムとして圧倒的な普及を見せ、その後のコンピューター環境の基準（デファクトスタンダード）を確立しました。ファッションでは、ダウンジャケットやロングブーツが流行し、女子高生を中心とする「コギャル」が登場するなど、若者文化にも新たな兆しが見られました。

流行語と今年の漢字

1995年の新語・流行語大賞には、政治不信を背景とした「無党派」、メジャーリーグに挑戦し成功を収めた野茂英雄投手を称える「NOMO」、そして震災復興を願う「がんばろうKOBE」が年間大賞に輝きました。その他のトップテンには「ライフライン」「安全神話」「インターネット」など、その年の出来事を反映した言葉が選ばれました。また、この年に始まった「今年の漢字」では、「震」が選ばれました。これは阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件による社会の動揺や不安を表しています。

節目の年

1995年は、第二次世界大戦・太平洋戦争の終結から50年という大きな節目の年でした。硫黄島の戦いや東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下、終戦の日など、戦争に関する出来事から半世紀にあたり、改めて平和の尊さが問い直されました。また、トヨタ・クラウン発売40周年、NTT・JT発足10周年、スーパー戦隊シリーズ放送開始20周年、女性参政権獲得50周年、全国高等学校野球選手権大会80周年など、様々な分野で記念すべき年となりました。

主な出来事

年明けには、オウム真理教のサリン関連報道や事件が続発。1月17日には未曽有の直下型地震である阪神・淡路大震災が発生し、多くの犠牲者を出しました。春には、オウム真理教による地下鉄サリン事件という日本の犯罪史上稀に見る無差別テロが発生。教団への強制捜査が始まり、教祖である麻原彰晃らが逮捕されるなど、一連のオウム真理教事件は社会に大きな衝撃を与えました。4月には記録的な円高（1ドル80円割れ）が進み、また、学校週5日制が隔週で導入されるなど、教育制度にも変化がありました。夏には、PL法（製造物責任法）の施行やPHSサービスの開始など、生活や技術に関する新たな動きがありました。7月には八王子スーパー強盗殺人事件という未解決事件も発生しています。秋には、沖縄米兵少女暴行事件に対する抗議集会が開催され、日米地位協定や基地問題への関心が高まりました。年末には高速増殖炉「もんじゅ」でのナトリウム漏洩事故が発生し、原子力安全への懸念が広がりました。

文化と流行

音楽シーンでは、CDのミリオンヒットが史上最多を記録し、小室哲哉プロデュースのアーティスト群「小室ファミリー」が全盛期を迎えました。安室奈美恵の登場は、その後のファッションや女性の生き方にも大きな影響を与え、「アムラー」という言葉を生みました。スピッツの「ロビンソン」やMr.Childrenの「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」、DREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」など、多くのアーティストがヒット曲を連発しました。出版界では松本人志の『遺書』が大ベストセラーとなり、文学界では保坂和志や小池真理子、藤原伊織らが芥川賞・直木賞を受賞しました。テレビでは『ためしてガッテン』『出没!アド街ック天国』などが放送を開始。アニメでは『新世紀エヴァンゲリオン』が深夜帯ながら熱狂的な支持を集め、社会現象となりました。

スポーツ

野球界では、ヤクルトスワローズがセ・リーグと日本シリーズを制し、オリックス・ブルーウェーブがパ・リーグを優勝しました。特に、メジャーリーグに挑戦した野茂英雄投手がロサンゼルス・ドジャースで新人王を獲得し、日本中に「NOMOフィーバー」を巻き起こしました。大相撲では、史上初の兄弟による優勝決定戦が九州場所で行われ、若乃花が貴乃花を破る一幕がありました。サッカーのJリーグでは、横浜マリノスが年間優勝を達成しています。テニスでは伊達公子選手が全仏オープンで、松岡修造選手がウィンブルドンで日本人として快挙となるベスト4、ベスト8進出を果たしました。

人物

この年は、後に俳優として活躍する土屋太鳳さんや川口春奈さん、志尊淳さん、松岡茉優さん、人気グループのメンバーとなる玉井詩織さん（ももいろクローバーZ）、菊池風磨さん（timelesz）、田中樹さん・松村北斗さん（SixTONES）、岸優太さん（元King & Prince|King_&_Prince）、与那城奨さん（JO1）、さらに多くのスポーツ選手やクリエイターなど、多分野で才能を開花させる多くの人物が誕生しました。一方で、長年『JET STREAM』のナレーターを務めた城達也氏や、『ルパン三世』のルパン役で知られる声優の山田康雄氏、人気漫画『ドラゴンボール』の連載を終えた鳥山明氏（最終回は6月）、俳優の川谷拓三氏など、惜しまれつつも多くの著名人が亡くなりました。

1995年は、大きな悲劇と社会の混乱を経験する一方で、文化や技術の面では新たな時代への幕開けを感じさせる出来事が多くあった、激動の一年でした。

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