2012年のラジオ (日本)

2012年の日本のラジオ界：変革と記念の年

2012年の日本のラジオ業界は、長年親しまれた番組がその歴史に幕を下ろす一方、新しい試みを取り入れた番組が数多く誕生するなど、大きな変化が見られた一年となりました。また、前年の東日本大震災からの復興を支援する動きが続き、各局で関連する特別番組が多数編成されました。さらに、多くの民放ラジオ局が開局60周年という重要な節目を迎え、様々な記念事業や特別番組が展開されました。技術面でも、東京スカイツリーへの送信所移転が始まるなど、ラジオ界全体にとって多岐にわたる出来事が発生した年でした。

主な番組の動き

年間を通じて、多くの番組で注目すべき出来事がありました。

• - 2月1日: ニッポン放送は、全国民放10局共同で放送された『第37回ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』（2011年12月放送）の最終募金総額が6400万円を超えたことを発表しました。
• - 2月20日週: ニッポン放送のスペシャルウィークでは、シンガーソングライターの松任谷由実が同局初の著名人による特別編成局長を務め、各番組に生出演しました。
• - 2月26日: 文化放送『地井武男の音楽旅行』は、パーソナリティの地井武男氏が体調不良のため休養に入り降板。以降は俳優の布施博氏らがピンチヒッターを務めました。
• - 3月: 文化放送の長寿帯番組『川中美幸 人・うた・心』が27年半の歴史に一旦区切りをつけ、4月からは日曜早朝に移動しました。
• - 3月11日: 東日本大震災から1年となるこの日、各局が震災関連の報道特別番組や企画番組を重点的に編成しました。
• - 3月18日: 民放FM52局が参加する恒例の共同企画『MEET THE MUSIC』が開催され、福山雅治氏とのコラボレーションにより、被災地である宮城県からのライブ生中継が行われました。
• - 3月30日: TBSラジオでは、午後ワイド『小島慶子 キラ☆キラ』が3年で終了。また、長寿電話相談番組『ズバリ快答!テレフォン身の上相談』（42年）、情報番組『日本列島ほっと通信』（18年半）も終了しました。
• - 4月2日: NHKラジオ第1で平日朝の生番組『すっぴん!』が放送開始。TOKYO FMの平日朝『Blue Ocean』にはフリーアナウンサーの住吉美紀氏が登場。TBSラジオでは午後ワイド番組『たまむすび』が開始し、月-木曜のパーソナリティをフリーアナウンサーの赤江珠緒氏が務めることになりました。ニッポン放送系『オールナイトニッポン』は14年ぶりに第2部（27時〜29時）を再開し、新番組『オールナイトニッポン0(zero)』がスタートしました。
• - 6月4日: 「第49回ギャラクシー賞」ラジオ部門大賞にMBSラジオのラジオドラマ『鉄になる日』が選ばれました。DJ・パーソナリティ賞はニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏が受賞しました。
• - 7月: NHK-FMの『今日は一日♪○○三昧』シリーズで、AKB48を特集する特番が東京ビッグサイトの大握手会会場から生中継されました（7月8日）。TOKYO FMでは、しゃべる車「プチェコ君」がラジオパーソナリティとしてデビューすることが発表されました。
• - 8月: ニッポン放送『オールナイトニッポン』の放送開始45周年を記念し、「お笑いオールスターウィーク」と題した1週間の特別編成が行われ、多数の人気お笑い芸人が出演しました。
• - 9月: TBSラジオ『小沢昭一の小沢昭一的こころ』のパーソナリティ小沢昭一氏が体調不良で入院（後に死去、番組終了）。MBSラジオ『RadioNews たね蒔きジャーナル』が3年で終了。
• - 10月2日: MBSラジオで平日夕方の新ワイド番組『with…夜はラジオと決めてます』が放送開始しました。
• - 12月10日: TBSラジオの長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』が、パーソナリティである小沢昭一氏の死去（12月10日）に伴い、12月14日の放送をもって40年の歴史に幕を下ろしました。
• - 12月30日: NHK-FMの長寿クラシック音楽番組『名曲のたのしみ』が41年9ヶ月の歴史を終えました。
• - 12月31日: 『第63回NHK紅白歌合戦』がNHKラジオ第1で放送されました。

その他のラジオ関連動向

番組以外の業界全体の動きも活発でした。

• - 文化放送（2月5日）、東海ラジオ（5月14日）がAMステレオ放送を終了しました。
• - 民放連会長が広瀬道貞氏から井上弘氏に交代しました（3月31日付）。
• - 放送大学CSラジオの放送が終了し、衛星メディアはBSに一本化されました（3月31日）。
• - FM802が関西インターメディア（FM COCOLO）の運営事業を引き継ぎ、2つの放送波を持つ体制となりました（4月1日）。
• - 放送大学がIPサイマルラジオradikoでの配信を開始しました（4月2日）。
• - NHK東京FM放送とJ-WAVEは、送信所を東京タワーから東京スカイツリーに移転しました（4月23日）。
• - 元毎日放送アナウンサーの小池清氏（4月28日）、パーソナリティの川村龍一氏（5月25日）、元ニッポン放送アナウンサーの塚越孝氏（6月26日）が死去しました。また、皇族として史上初めて『オールナイトニッポン』のパーソナリティを務めたことでも知られる三笠宮寬仁親王が薨去しました（6月6日）。
• - 電通が5年おきの「マスコミ功労者顕彰」を発表（8月31日、延期分）。
• - 2012年度日本民間放送連盟賞が発表され、北海道放送、中国放送、琉球放送などが最優秀賞を受賞しました（9月20日）。
• - 第8回日本放送文化大賞ラジオ部門グランプリに、熊本放送の番組『ゆりかご5年の記録〜命と倫理の間で〜』が選ばれました（11月6日）。

節目

この年は、多くのラジオ局や番組にとって記念すべき年となりました。

• - 文化放送『地井武男の音楽旅行』が番組開始15周年、ニッポン放送系『オールナイトニッポン』が番組開始45周年を迎えました。
• - 『FMトワイライト』（NHK名古屋FM）が3000回、『ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』（STVラジオ）が1500回放送を達成するなど、長寿番組が節目を迎えました。
• - 1952年に開局した北海道放送、信越放送、文化放送、ラジオ関西、東北放送、北陸放送、北日本放送、四国放送、福井放送、中国放送、静岡放送、新潟放送といった多くの民放局が開局60周年を迎え、様々な記念番組やイベントを実施しました。

その他の番組動向

この他にも、多数の番組が新たに開始されたり、放送時間や曜日の変更が行われたりしました。また、期間限定の特別番組や、過去に放送された番組の再開、ラジオドラマなども数多く企画・放送され、バラエティ豊かな編成が展開された一年でした。

2012年は、ラジオが長年の歴史を大切にしつつも、新しい技術や形態を取り入れながら変化し続ける、活気に満ちた年であったと言えるでしょう。

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