2018年の出版

2018年の出版業界の動向

2018年の出版業界は、雑誌の休刊や創刊、出版社の倒産、著作権侵害問題、人気作品の連載終了など、様々な出来事が相次いだ年でした。これらの出来事は、出版業界の変動と、業界が抱える課題を浮き彫りにしました。

出版関連の主な出来事

1月

1月5日、ドナルド・トランプ大統領の暴露本『炎と怒り トランプ政権の内幕』がアメリカで出版され、発売1週間で100万部を突破しました。
1月9日、月刊誌『スキージャーナル』と『剣道日本』を発行していたスキージヤーナルが破産を申し立てられました。また、リクルートの中古車情報誌『カーセンサー』の中国版などが休刊しました。
1月15日、英紙ガーディアンが紙面をベルリナー判からタブロイド判に変更しました。また、小学館の幼児向け読み聞かせ専門誌『おひさま』が休刊しました。
1月23日、女性向け隔月刊誌『Kiite!』が休刊し、雑誌『CONTINUE』が復刊しました。

2月

2月6日、アイドル雑誌『Top Yell』が休刊しました。
2月23日、小学館の『月刊コロコロコミック』に掲載された漫画の内容がモンゴル大使館から抗議を受け、同社は謝罪。雑誌の発売中止と購入者への返金対応を行いました。

3月

3月12日、4コマ漫画雑誌『まんがタイムジャンボ』が休刊しました。
3月16日、大創出版が立命館大学教授の作品を無断転載したとして、発売中止と回収を発表しました。
3月17日、漫画雑誌『まんがタイムファミリー』が休刊しました。
3月20日、月刊『卓球レポート』が休刊しました。
3月26日、ケージェイ（旧キネマ旬報社）が特別清算を開始しました。
3月28日、ダイナミックセラーズ出版が破産手続き開始決定を受け倒産しました。

4月

4月4日、日本芸術出版社が経営破綻しました。
4月15日、競馬専門紙『競馬ニホン』が休刊しました。
4月18日、ベネッセコーポレーションが発行した算数テストの内容が著作権侵害にあたるとして、教育同人社と光文書院から抗議を受けました。
4月24日、前FBI長官ジェームズ・コミーの暴露本が発行1週間で60万部を販売しました。メンズファッション誌『RUDO』が休刊しました。
4月27日、週刊紙『週刊アキタ』が廃刊しました。
4月28日、月刊マンガ誌『ARIA』が休刊し、一二三書房がライトノベルの新レーベル「ブレイブ文庫」を創刊しました。

5月

5月16日、雑誌『ゆきのまち通信』が休刊し、ファッション雑誌『LE PANIER』が創刊しました。また、秋田書店がBL単行本レーベル「カチCOMI」を創刊しました。
5月18日、ライフスタイル誌『cookpad plus』が創刊し、白石麻衣の写真集『パスポート』が累計発行部数30万部を突破しました。
5月21日、露日専門誌『ロシア サイエンス&テクノロジー レビュー』が発刊されました。
5月25日、楽天が出版取次3位の大阪屋栗田の子会社化を発表しました。
5月26日、少女マンガ誌『別冊花とゆめ』が休刊しました。
5月、米カルチャー誌「インタビュー マガジン」が休刊しました。

6月

6月1日、月刊漫画雑誌『ヤングアニマル嵐』が休刊しました。
6月7日、隔月刊女性漫画誌『ITAN』が休刊しました。
6月9日、一迅社がキャラ文芸の新レーベル「メゾン文庫」を創刊しました。
6月19日、月刊漫画雑誌『月刊COMICリュウ』が休刊しました。
6月20日、季刊雑誌『NewsPicks Magazine』が創刊しました。
6月23日、メンズファッション＆カルチャー誌『ワープ・マガジン・ジャパン』が休刊しました。
6月28日、『ドカベン』が週刊少年チャンピオンでの連載を終えました。
6月30日、月刊漫画雑誌『月刊バーズ』が休刊し、『TV Bros.』のアニメムック本『ANIME Bros』が創刊されました。

7月

7月4日、札幌市の広報誌が『ベルサイユのばら』のキャラクターを無断使用したとして、著作権侵害を指摘されました。
7月14日、西日本豪雨の影響で、各社が漫画雑誌を期間限定で無料公開しました。
小学館…『月刊コロコロコミック』7月号
集英社…『週刊少年ジャンプ』32号
講談社…『週刊少年マガジン』7月11日発売号
秋田書店…『週刊少年チャンピオン』32号及び33号
7月25日、海悠出版が事業を停止しました。
7月31日、日刊海事通信社が破産開始決定を受け、同社が発行していた全書籍が廃刊となりました。

8月

8月4日、月刊誌『ヤングキングBULL』が創刊しました。
8月10日、月刊情報誌『日経ビジネスアソシエ』が休刊しました。
8月21日、休刊中の『ネットマネー』が『Net Money』として復刊しました。
8月31日、ニューヨークの日刊紙『ヴィレッジ・ヴォイス』が廃刊しました。

9月

9月5日、リンダパブリッシャーズが破産開始決定を受けました。
9月21日、新潮社が『新潮45』の特集記事が批判を浴びたことを受け、同誌の休刊を発表しました。
9月21日、イノセンス（旧潮書房光人社）が特別清算開始決定を受けました。
9月22日、月刊誌『小説現代』が休刊しました。

10月

10月5日、爆笑問題の太田光が週刊新潮の記事を名誉毀損で提訴しました。また、講談社が新レーベル「レジェンドノベルス」を創刊しました。
10月12日、新潮社社長が『新潮45』の休刊について謝罪しました。
10月15日、女性向け漫画雑誌『YOU』が休刊しました。集英社が『ワールドトリガー』の連載を再開すると発表しました。
10月19日、プロトコーポレーションがバイク情報誌『グーバイク』の東北版を休止し、他の地域版をリニューアルすると発表しました。
10月22日、片山さつき地方創生担当大臣が週刊文春の記事を名誉毀損で提訴しました。
10月末、『仏教芸術』が創刊されました。

11月

11月1日、漫画『課長島耕作』の主人公・島耕作が漫画雑誌『モーニング』の編集長に就任しました。
11月2日、月刊演劇雑誌『シアターガイド』が休刊しました。
11月6日、シニア富裕層向け月刊誌『GG』を発行していたGGメディアが破産開始決定を受けました。
11月15日、音楽誌『月刊Songs』が休刊しました。
11月26日、週刊少年ジャンプで連載されている『HUNTER×HUNTER』が長期の休載に入りました。
11月28日、やしきたかじんの闘病生活を綴った書籍を巡り、名誉毀損で損害賠償が命じられました。また、『まんがライフMOMO』が休刊しました。

12月

12月5日、一二三書房がキャラクター文芸レーベル「一二三文庫」を創刊しました。
12月7日、子育てライフスタイル誌『ニナーズ』が休刊しました。
12月25日、出版科学研究所が2018年の紙媒体の販売額が1兆2800億円台になると発表しました。また、漫画雑誌『めちゃコミックfufu』が創刊しました。
12月26日、写真誌『DAYS JAPAN』の代表取締役がセクハラ行為で解任されました。また、自動車・バイク雑誌の発行元が破産開始決定を受けました。
12月27日、雑誌『Go!Go! GUITAR』が休刊しました。
12月29日、雑誌『週刊文春WOMAN』が創刊しました。

まとめ

2018年は、出版業界にとって多くの変革と課題が浮き彫りになった年でした。雑誌の休刊や出版社の倒産、著作権侵害問題、人気作品の連載終了など、業界の変動を象徴する出来事が相次ぎました。また、紙媒体の販売額が減少傾向にある中、新たな出版レーベルの創刊や雑誌の復刊、Webサイトでの無料公開など、新たな試みも模索されました。

これらの出来事は、出版業界がデジタル化やコンテンツの多様化といった時代の変化に対応していく必要性を示唆しています。今後、出版業界がこれらの課題をどのように乗り越えていくのか、注目されます。

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