2026年の鉄道

2026年（令和8年）の日本の鉄道界は、大小さまざまな出来事が予定されており、多くの注目を集める一年となる見込みです。路線の再編や新しい駅の誕生、ICカードが使えるエリアの拡大、そして新型車両の登場など、鉄道を取り巻く環境に変化が訪れます。

まず、地域交通のあり方に影響を与える重要な動きとして、北海道での路線廃止が挙げられます。2026年4月1日をもって、北海道旅客鉄道（JR北海道）の留萌本線のうち、深川駅から石狩沼田駅までの14.4kmの区間が廃止される計画です。これに伴い、この区間にあった北一已駅、秩父別駅、北秩父別駅、石狩沼田駅の4つの駅も、鉄道駅としての役割を終えることになります。

同じく4月1日には、関西の主要私鉄である南海電気鉄道が、社名を「株式会社NANKAI」に変更することが予定されています。

利用者の利便性向上を目的とした新駅の開業も各地で計画されています。西日本旅客鉄道（JR西日本）では、山陽本線の姫路駅と英賀保駅の間に、現時点では駅名が未定ながらも新しい駅が開業する予定です。北陸新幹線延伸に伴い並行在来線となった区間を引き継いだハピラインふくいでは、武生駅と王子保駅の間に「しきぶ駅」が誕生します。年度内には、東日本旅客鉄道（JR東日本）の信越本線に、北高崎駅と群馬八幡駅の間に「豊岡だるま駅」が開業する見込みです。さらに、四国地方の高松琴平電気鉄道琴平線においても、太田駅と仏生山駅の間に「多肥駅」が新設される予定です。岡山電気軌道では、路面電車の岡山駅前停留場が約0.1km延伸され、JR岡山駅前広場内に新しい停留場が開業する計画が進んでいます。

交通系ICカードの利用エリアも広がります。東日本旅客鉄道（JR東日本）は、2026年春から大糸線の信濃大町駅と白馬駅でSuicaのサービスを開始する予定です。また、同時期にしなの鉄道線（軽井沢駅から篠ノ井駅まで）および北しなの線（長野駅から妙高高原駅まで）でもSuicaの導入が計画されています。

鉄道車両の動きも活発です。多数の新型車両が登場し、既存車両が引退する予定となっています。春には相模鉄道の13000系が運転を開始します。年度を通じて、四国旅客鉄道（形式未定）、京王電鉄（2000系）、東武鉄道（90000系）、西武鉄道（形式未定）、江ノ島電鉄（700形）、名古屋鉄道（500系）、高松琴平電気鉄道（2000系）、筑豊電気鉄道（形式未定）など、多くの事業者で新型車両の運転が始まる見込みです。これらの新型車両は、サービスの質の向上や既存車両の置き換えに貢献することが期待されます。

一方で、長年にわたり運行されてきた車両がその歴史に幕を下ろす場面もあります。東日本旅客鉄道（JR東日本）のE3系の一部編成が運転を終了する予定です。また、観光路線として知られる嵯峨野観光鉄道では、トロッコ列車として活躍したDE10形1104号機や、SK100形、SK200形、SK300形といった車両が運転を終えることが計画されています。

このほか、具体的な日時は未定ながら、ダイヤ改正などが実施される可能性もあります。2026年は、路線の変化、駅網の充実、そして車両の世代交代など、日本の鉄道が新たな局面を迎える一年となるでしょう。今後の各社の発表や計画の進捗が注目されます。

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