DEEP (格闘技団体)

DEEP

日本の総合格闘技団体であるDEEPは、2001年に設立されました。団体の代表は佐伯繁氏です。総合格闘技興行を主軸としつつも、2009年にはキックボクシングイベントの「DEEP☆KICK」、2013年からは女子総合格闘技団体「DEEP JEWELS」も運営しており、幅広い格闘技分野で活動を展開しています。

歴史

DEEPの歴史は、2001年1月8日に「DEEP2001（ディープにせんいち）」として始まったことに遡ります。旗揚げ初期には、パンクラスなどの協力も得ながら、大規模な会場での興行を企画し、日本のメジャー格闘技団体を目指していました。プロレスラーの積極的な参戦や、話題を呼ぶような組み合わせの対戦カードが多く組まれたことから、「格闘技のおもちゃ箱」と形容されることもありました。しかし、2002年9月7日に開催された第六回大会（田村潔司対美濃輪育久戦がメイン）の集客が期待を下回り、団体は興行規模を縮小せざるを得なくなりました。

2003年からは、団体名を単に「DEEP」と改称しました。同年7月13日の第十一回大会からは、女子選手の試合もプログラムに組み込むようになります。また、同年9月にドリームステージエンターテインメントがPRIDE武士道シリーズを開始すると、DEEP代表の佐伯氏はDSEと業務提携を結び、DEEPはPRIDEの下部組織のような位置づけとなりました。この提携以降、DEEPの興行は主に後楽園ホール規模の会場が中心となり、出場選手は日本人の中量級や軽量級が中心、観客層は選手の応援団や熱心な格闘技ファンが多くを占めるようになります。初期には大阪プロレスの村浜武洋やルチャドール、パンクラスからの選手も登場しましたが、次第に修斗やパンクラス、GRABAKAといった他団体のトップクラスの選手らが活躍する主要な舞台となり、やがてDEEP生え抜きの中・軽量級選手も増加しました。長南亮選手は、DEEPでの活躍を足がかりにPRIDE武士道やUFCといった国際的な舞台へステップアップした代表的な存在です。

2007年には、グラップリングルールの「DEEP X」、キックボクシングとエンタメを融合した「DEEP GLOVE」、35歳以上の選手による「おやじDEEP」、「DEEP HERO」など、様々なコンセプトを持つ派生シリーズを開始しました。2008年3月にFEGがDREAMを始動させると、DEEPはPRIDE時代と同様にDREAMの下部組織として連携体制を築きました。2009年には「DEEP GLOVE」が、長島☆自演乙☆雄一郎氏のプロデュースにより「DEEP☆KICK」として刷新されました。

2012年6月には、パンクラスと共同でアマチュア部門を統合し、「ジャパンMMAライセンス」を発足させました。2013年には、女子総合格闘技団体JEWELSの運営を引き継ぎ、「DEEP JEWELS」として新たなスタートを切りました。2014年12月31日には、さいたまスーパーアリーナにて、団体史上初となる大晦日興行「DEEP DREAM IMPACT 2014 〜大晦日SPECIAL〜」を開催しています。

近年の活動としては、2023年2月4日に韓国で行われたBLACK COMBATとの対抗戦（2勝3敗で敗れ越し）や、2025年に行われたBreakingDownとの複数回にわたる対抗戦が挙げられます。BreakingDownとの対抗戦は計3回行われ、第一弾（キック5試合）が2勝3敗、第二弾（キック3試合）が2勝1敗、第三弾（MMA3試合）が3勝0敗という結果でした。

ルール

DEEPではルールも時代に合わせて変更されています。2008年2月22日には、ネバダ州アスレチック・コミッションの基準に合わせた男子階級を導入しました。2009年12月19日開催の「DEEP CAGE IMPACT 2009」以降は、試合にオクタゴンケージを使用しています。

2017年9月からは複数の重要なルール改定が実施されました。タイトルマッチ以外の試合における体重超過は、0.45kg（約1ポンド）まで許容されるようになりました。また、判定基準が「試合全体を通じた優劣」から「ラウンドごとに優劣をつけ、10点法で採点する形式」に変更されました。偶発的な反則で1ラウンドが完了する前に試合続行が不可能となった場合は、ノーコンテストとする規定も設けられました。これらの改定と同時に、レフェリーやドクターなどで構成される「DEEP競技運営機構」が設立され、競技運営体制が強化されました。

配信・視聴方法

過去には、スカパー! FIGHTING TV サムライ、BS朝日、名古屋テレビ、テレビ大阪といったテレビ局で中継され、パーフェクト・チョイス（現スカチャン）でも配信されていました。2016年8月27日開催の「DEEP 77 IMPACT & DEEP JEWELS 13」はAbemaTVで生中継されるなど、新しい視聴方法も試みられています。

現在、主な視聴方法は有料配信です。2023年3月からはYouTube公式メンバーシップ制度を開始し、有料会員向けにDEEP本戦、DEEP JEWELS、DEEP TOKYO IMPACTの全大会をライブ配信しています。同年5月からはU-NEXTでも見放題ライブ配信が行われるようになり、ファンは様々なプラットフォームでDEEPの大会を視聴できるようになっています。

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