M56短機関銃

M56は、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国で開発された短機関銃です。1950年代中頃、それまで使用されていたM49短機関銃を更新する目的で設計されました。外観は第二次世界大戦中にドイツで開発されたMP40短機関銃とよく似ていますが、構造上の類似点は多くありません。

機関部の設計はM49と同様にイタリア製ベレッタ M1938短機関銃に由来しています。また、湾曲した7.62x25mmトカレフ弾用の弾倉はM49やソ連製のPPSh-41短機関銃のものと似ていますが、互換性はありません。

排莢口はPPSh-41と同様に機関部の上に設けられています。リコイルスプリングはイギリス製ステン短機関銃に似ており、マガジンリリースレバーはソ連製PPS43短機関銃と同型です。機関部下部およびピストルグリップは樹脂製ですが、寒冷地での温度変化により割れることが多かったため、内部に木材が挿入されるようになりました。

折畳式銃床はMP40と同型です。照門は倒立式で、照準距離を100mと200mに切り替えることができました。機関部右側に設けられたコッキングハンドルは安全装置を兼ねており、ひねることでボルトを固定できます。着剣装置もMP40とは異なるM56の特徴です。

M56はセレクティブファイア機能を備えており、引き金の上に設けられたボタン式のセレクタで射撃モードを選択できました。右に押し込むとフルオート射撃（RAFAL）、左に押し込むとセミオート射撃（JED）となります。

後に9x19mm弾を使用するM65というモデルも設計されました。ユーゴスラビア人民軍および国境警備隊では、ザスタバ M70小銃の短縮モデルやM84短機関銃（国産化されたVz 61）によって更新されました。また、周辺国への輸出も盛んに行われました。

MP40が使用した9x19mmパラベラム弾と比較すると、M56が使用する7.62x25mmトカレフ弾は有効射程と貫通力に優れる一方で、ストッピングパワーはやや劣っていました。

関連項目

MP40
Z-45 - スペインのMP40コピー
M49短機関銃

外部リンク

Zastava Arms official website

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