MSGタッグ・リーグ戦

MSGタッグ・リーグ戦

MSGタッグ・リーグ戦は、新日本プロレスが1980年から1984年まで開催していたタッグリーグ戦です。毎年11月から12月にかけて開催され、多くのファンを魅了しました。

概要

このリーグ戦は、全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦に対抗する形で始まりました。新日本プロレスは、提携を結んでいたWWF（現WWE）代表のビンス・マクマホン・シニアの協力を得て、「マディソン・スクエア・ガーデン」の冠をつけたMSGシリーズのタッグ版として、このリーグ戦をスタートさせました。このシリーズは、後のSGタッグ・リーグ戦やG1タッグ・リーグ戦へと繋がっていく重要な役割を果たしました。

試合形式

試合形式は、大会ごとに若干の変更がありました。

第1回～第3回大会: フォール・ギブアップ勝ち（5点）、リングアウト・反則勝ち・不戦勝（4点）、引分け（2点）
第4回大会: フォール・ギブアップ勝ち・不戦勝（5点）、リングアウト勝ち（4点）、反則勝ち（3点）、引分け（3.5点）
第5回大会: フォール・ギブアップ勝ち・不戦勝（5点）、リングアウト・反則勝ち（4点）、引分け（2.5点）

各大会とも、最終的な得点上位2チームによって優勝決定戦が行われ、優勝チームが決定しました。

各大会の結果

第1回大会（1980年）

優勝: アントニオ猪木＆ボブ・バックランド（34点）
準優勝: スタン・ハンセン＆ハルク・ホーガン（32点）

この大会では、猪木がWWF王者のバックランドと「帝王コンビ」を結成し、見事優勝を果たしました。当初、アンドレ・ザ・ジャイアントはイワン・プトスキー、ジョニー・パワーズはマスクド・スーパースター、長州力はキラー・カーンと組んで出場する予定でしたが、変更がありました。また、シリーズ後半戦にはダスティ・ローデスが特別参加しました（リーグ戦には不出場）。

第2回大会（1981年）

優勝: アンドレ・ザ・ジャイアント＆レネ・グレイ（38点）
準優勝: アントニオ猪木＆藤波辰巳（36点）

前年度優勝者のバックランドが不参加となったため、猪木は藤波辰巳との「師弟コンビ」で出場しました。優勝決定戦では、アンドレ組が猪木組を破り、初優勝を飾りました。シリーズ中には、ハルク・ホーガン、ダスティ・ローデス、ローラン・ボックが特別参加しました（リーグ戦には不出場）。

第3回大会（1982年）

優勝: アントニオ猪木＆ハルク・ホーガン（28点）
準優勝: キラー・カーン＆タイガー戸口（23点）

この大会では、猪木とホーガンがコンビを結成し、優勝を果たしました。ダークホースのカーン＆戸口組も健闘しましたが、猪木組の勢いを止めることはできませんでした。

第4回大会（1983年）

優勝: アントニオ猪木＆ハルク・ホーガン（28.5点）
準優勝: ディック・マードック＆エイドリアン・アドニス（27.5点）

前年度優勝チームとして猪木&ホーガンが参加し2連覇を達成。ハンセンがマードック組との公式戦で負傷欠場に追い込まれ、アンドレ組は首位ながら優勝戦を辞退しました。

第5回大会（1984年）

優勝: アントニオ猪木＆藤波辰巳（22.5点）
* 準優勝: ディック・マードック＆エイドリアン・アドニス（23点）

この年、日本人選手の大量離脱があり、参加チームが減少しました。また、ブリティッシュ・ブルドッグスが全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦に出場するという事件も起こりました。ホーガンも開幕戦以降欠場して途中帰国。この翌年、新日本プロレスはWWFとの提携を解消し、「MSG」を冠としたリーグ戦も終了することになりました。

MSGタッグ・リーグ戦は、短期間で終了しましたが、その後の新日本プロレスのタッグマッチに大きな影響を与えました。また、豪華な外国人レスラーが多数参加したことでも知られています。

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