NEXUS 4/SHINE

L'Arc〜en〜Ciel 35th Single「NEXUS 4／SHINE」解説

「NEXUS 4／SHINE」は、日本のロックバンドL'Arc〜en〜Cielが2008年8月27日にリリースした35枚目のシングルです。Ki/oon Recordsより発売されました。このシングルは、前作「DRINK IT DOWN」から約4ヶ月ぶりのリリースとなり、2000年1月発売の「NEO UNIVERSE／finale」以来、約8年7ヶ月ぶりとなる両A面シングルです。また、ライブビデオ『TOUR 2007-2008 THEATER OF KISS』と同日発売されました。

リリース概要

本作は、「NEXUS 4」と「SHINE」という2つの表題曲を持つ両A面シングルです。

NEXUS 4
2008年5月9日から富士重工業「スバル・レガシィ」のCMソングとして使用。前年の「MY HEART DRAWS A DREAM」に続き2年連続でのCM起用。
アルバム『KISS』のレコーディングと同時期に制作。
2008年のライブツアー「TOUR 2008 L'7 〜Trans ASIA via PARIS〜」日本公演で先行披露。
SHINE
2007年4月8日からNHK-BS2衛星アニメ劇場枠で放送されたテレビアニメ『精霊の守り人』のオープニングテーマ。
リリースまでに約1年4ヶ月の期間を要した音源。
tetsuyaによれば、シングル発売の2～3年前に録音されストックされていた。
2007年のホールツアー「Are you ready? 2007 またハートに火をつけろ!」などで先行披露。

また、本作では、2004年の「自由への招待」から前作「DRINK IT DOWN」までのシングルに収録されていた、パートチェンジバンドP'UNK〜EN〜CIELによるセルフカバーは見送られました。tetsuyaは、この理由を「出し惜しみ」と述べています。

リリースプロモーション

2008年5月13日、読売新聞朝刊と公式サイトにて、シングルの発売に加え、ライブツアー「TOUR 2008 L'7 〜Trans ASIA via PARIS〜」終了後、2011年の結成20周年記念ライブまでL'Arc〜en〜Cielとしてのライブ活動を休止することが発表されました。この発表後、メンバーはソロ活動や別バンドでの活動を主軸としました（hyde→VAMPS、ken→Ken、tetsuya→TETSUYA、yukihiro→acid android）。しかし、L'Arc〜en〜Cielとしての活動が完全に停止したわけではなく、本作以降も新譜のリリースは行われています。

リリース形態

本作は通常盤（CD）の1形態でリリースされました。初回限定仕様は、スペシャルジャケットとピクチャーレーベル仕様で、特製SHINE証（全4種のうち1種）が付属しました。

チャート成績

オリコン週間シングルチャートでは首位獲得とはなりませんでしたが、フィジカルの初動売上枚数は10万枚以上を記録。また、台湾の音楽チャートG-musicでは週間首位を獲得しました。

ミュージックビデオ

NEXUS 4：高田弘隆がディレクターを担当。
SHINE：マンジョット・ベディが監督を担当。

両曲のミュージックビデオは、2009年のクリップ集『CHRONICLE 4』に初収録されました。2019年12月11日からはYouTube Music Premium限定で有料公開され、2022年5月13日からは無料公開されています。

収録曲

1. NEXUS 4
2. SHINE

楽曲解説

NEXUS 4

作詞: hyde / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira
ポジティブな世界観を持つ、躍動感と疾走感のあるロックナンバー。
tetsuyaがアルバム『KISS』の選曲会のために最初に制作したデモ音源が原型。
hydeは、楽曲にサイバーパンクのイメージを抱き、歌詞に反映。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をモチーフにしたフレーズも使用。
タイトルは、同小説に登場するレプリカント「ネクサス6型」と、バンドメンバーの数である「4」に由来。
yukihiroは、複雑なリズムパターンに苦労したと述懐。
kenは、5度コードを基本に、サビでピックキング・ハーモニクスを使用し変化を加えた。
2024年のライブツアー「ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND」では、映画『ブレードランナー』を彷彿とさせる演出が用いられた。
tetsuyaは、アニメ『機動戦士ガンダム00』のオープニングテーマ制作の際に、この曲の原型を検討していた。

SHINE

作詞: hyde / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira
優しさと力強さ、スケール感を併せ持つポップナンバー。
2007年のホールツアーで先行披露されていたが、長らくリリースされなかった。
tetsuyaによれば、楽曲の原型は2～3年前から存在し、シングルの表題曲にする予定でレコーディングもされていた。
アニメ『精霊の守り人』のオープニングテーマとして、歌詞が書き下ろされた。
tetsuyaは、コーラスを多用し、広がりのあるサウンドを目指したと述べている。
ベースは、サドウスキー製の「Sadowsky NYC Vin 4st JB Caramel Burst」を使用。
yukihiroは、ドラムにテリー・ボジオやスチュワート・コープランドの影響を受けたと述べている。
kenは、アコースティックギターを全編で使用し、様々な音をコラージュする感覚でレコーディングしたと語っている。
hydeは、アニメ監督と脚本を元に歌詞を書き下ろした。日記のような個人的な想いが込められている。

タイアップ

NEXUS 4
富士重工業「スバル・レガシィ」CMソング
江崎グリコ「Mousa」CMソング（中国）
SHINE
NHK-BS2衛星アニメ劇場枠テレビアニメ『精霊の守り人』オープニングテーマ
江崎グリコ「Mousa」CMソング（中国）

参加ミュージシャン

hyde：Vocal
ken：Guitar
tetsu：Bass
yukihiro：Drum
NEXUS 4
tetsu：Keyboards, Programming, Backing Vocal
西平彰：Keyboards, Programming
草間敬：Keyboards, Programming
岡野ハジメ：Keyboards, Programming
斎藤仁：Manipulate
小池敦：Manipulate
SHINE
tetsu：Keyboards, Programming, Backing Vocal
西平彰：Keyboards, Programming
岡野ハジメ：Keyboards, Programming, Tambourine
小池敦：Manipulate

収録アルバム

『BUTTERFLY』(#1, #2)

参考文献

『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、2010年
『WHAT's IN?』、ソニー・マガジンズ、2012年2月号
『GiGS』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2012年3月号
『ギター・マガジン』、リットーミュージック、2012年3月号
『リズム&ドラム・マガジン』、リットーミュージック、2012年4月号

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