RPG (兵器)

RPG (ロケットランチャー)

RPG（РПГ）は、ソ連およびロシアで開発されたロケットランチャーであり、特にRPG-2以降のモデルは対戦車擲弾発射器として広く知られています。この兵器は、兵士が携行できる小型のランチャーから、ロケット推進の擲弾を発射するもので、歩兵部隊にとって重要な対戦車能力を提供します。

概要

対戦車擲弾発射器は、人が持ち運び可能な小型の兵器であり、ロケットの推進力を利用して擲弾を発射します。RPGという名称は、本来「携帯対戦車グレネードランチャー」を意味するロシア語のアクロニムに由来しますが、ロケット推進擲弾自体を指す言葉としても用いられることがあります。

標準的な成型炸薬弾を使用した場合、RPGの有効射程は移動目標に対しては約300m、静止目標に対しては約500mです。発射後約4.5秒で自爆する安全機構が備わっているため、最大射程は約920mとなっています。しかし、横風の影響を受けやすく、実質的な有効射程は100m以下となることもあります。

名称の由来は、ロシア語の「ручной противотанковый гранатомёт（ルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート）」、つまり「携帯対戦車グレネードランチャー」のアクロニムです。英語では「rocket-propelled grenade」の略とされますが、これは後付けの解釈であり、厳密には正確ではありません。初期のRPGであるRPG-40やRPG-43は手榴弾型であり、RPG-2の弾頭にはロケット推進機構がありませんでした。

歴史と発展

RPG-2は、第二次世界大戦中にドイツ軍が使用したパンツァーファウスト250を参考に開発されました。その後、RPG-7へと改良が重ねられ、数多くの派生型が誕生しました。これらの改良型は、射程、弾頭の種類、命中精度などの点で性能が向上しています。

RPGシリーズ一覧

ソ連時代に生産開始

RPG-40（対戦車手榴弾）
RPG-43（対戦車手榴弾）
RPG-6（対戦車手榴弾）
RPG-2
RPG-7
RPG-16
RPG-18（使い捨て型）
RPG-22（同上）
RPG-26（同上）
RPG-27（同上）
RPG-29

ロシア連邦時代に生産開始

RPG-28（使い捨て型）
RPG-30（同上）
RPG-32

RPGに類似した兵器

RPGと同様の機能を持つ兵器は、世界各国で開発・使用されています。

ソビエト連邦/ロシア

RPOロケットランチャー - 対人・対構築物用の焼夷弾やサーモバリック爆薬を搭載。

アメリカ合衆国

M72 LAW
M202ロケットランチャー
M136 AT4
SMAW ロケットランチャー

イギリス

LAW 80

イスラエル

B-300

イスラエル/シンガポール

MATADOR

スウェーデン

AT4
カールグスタフ

スペイン

C-90ロケットランチャー
C-100ロケットランチャー

チェコスロバキア

RPG-75

中国

69式ロケットランチャー - RPG-7のコピー品。
PF-89
PF-98

ドイツ

パンツァーファウスト44
Armbrust
パンツァーファウスト3

フランス

Wasp 58
APILAS
LRAC F1

ポーランド

RPG-76

ユーゴスラビア/セルビア

M79ロケットランチャー
M80ロケットランチャー
M90ロケットランチャー

これらの兵器は、RPGと同様に、歩兵部隊に対戦車能力や対構築物攻撃能力を提供します。

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