SO903i

FOMA SO903i (フォーマ・エスオー きゅう まる さん アイ) の詳細解説

FOMA SO903iは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現ソニーモバイルコミュニケーションズ）が開発し、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話（FOMA）端末です。この端末は、従来のストレート型デザインから折りたたみ式へと大きく変更され、その外観上の最大の特徴として、折りたたみ時に現れる9つのボタンが挙げられます。

デザインと特徴

キャッチコピーは「PREMIUM AV」であり、画面、音楽、カメラといったAV機能の高性能さが強くアピールされました。メインディスプレイには、当時としては最大クラスの3インチ液晶が採用され、視認性が向上しました。音楽再生機能も強化されており、ATRAC3、MP3、AAC、HE-AACといった多様なファイル形式に対応しています。ただし、MP3のVBR（可変ビットレート）には非対応でした。

カメラ機能としては、320万画素のCMOSセンサーを搭載。また、テレビ電話用のサブカメラも約11万画素CMOSで搭載されています。外部メモリーカードは、miniSDとメモリースティック PRO Duoの両方に対応しており、デュアルスロット構造は当時としては画期的でした。ただし、両方のカードを同時に使用することはできません。

高画質化技術とボタン

ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」に搭載されている高画質エンジンを携帯向けに最適化した「RealityMAX」を搭載。これにより、携帯電話の画面でも高品質な映像体験が可能になりました。この技術は、auのCDMA 1X WIN端末（W43S、W44Sなど）にも採用されました。

本体のボタンはオレンジ色に発光し、設定により明るい場所では発光しないように調整可能です。この機能は、視認性とデザイン性を両立させるための工夫でした。

プリインストールアプリと共通機能

iアプリとしては、「みんなのGOLFモバイル2+ for SO」、「NAVITIME」、「DCMX」、「iD」などがプリインストールされていました。FOMA 903iシリーズ共通の機能として、着うたフル、GPS、メガiアプリ、ICカードによる認証、3Gローミング（WORLD WING）にも対応していました。これらの機能は、当時の携帯電話の標準的な機能を網羅していました。

歴史

• - 2006年9月12日：技術基準適合証明 (TELEC) を通過
• - 2006年9月15日：電気通信端末機器審査協会 (JATE) を通過
• - 2006年10月12日：D903i、D903iTV、F903i、F903iX HIGH-SPEED、N903i、N902iL、P903i、P903iTV、P903iX HIGH-SPEED、SH903i、SH903iTV、SO903i、SIMPURE L1、SIMPURE N1の開発が発表。
• - 2006年11月25日：発売開始

不具合とソフトウェア更新

発売後、いくつかの不具合が報告され、ソフトウェア更新が行われました。

• - 2006年12月27日：特定の手順で操作後に着うたをダウンロードすると失敗する不具合が報告されました。
• - 2007年8月15日：SonicStageで音楽データを転送後、USBケーブルを正常に外さずに特定の操作を行うと、画面に曲名が表示されない不具合を修正するソフトウェアがリリースされました。

これらの不具合への対応は、ユーザーエクスペリエンスの向上に貢献しました。

外部リンク

• - 3インチワイド液晶搭載のミュージックケータイ「SO903i」
• - ITmedia +D モバイル：音楽プレーヤーライクなボディに3インチワイド液晶＋1Gバイトメモリ - 「SO903i」
• - ITmedia +D モバイル：背面の液晶とボタン操作で何ができる? - 「SO903i」
• - ITmedia +D モバイル：SO903iをポータブルオーディオとしてチェックする - 「SO903i」

関連項目

• - SO902i
• - SO902iWP+
• - メモリースティックオーディオ
• - F-03C

この端末は、当時の技術を結集し、デザイン、機能性、ユーザビリティを高いレベルで実現したモデルとして、現在でも評価されています。

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