W44S

W44Sとは

W44Sは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現ソニー）が開発し、KDDIおよび沖縄セルラー電話のauブランドで発売されたCDMA 1X WIN対応の携帯電話です。

主な特徴

日本初の地上デジタル音声放送受信対応：携帯電話として日本で初めて地上デジタル音声放送の実用化試験受信に対応しました。
デュアルオープンスタイル：縦方向と横方向の両方に開閉できる独自の機構を採用。縦開きは「ケータイスタイル」、横開きは「モバイルシアタースタイル」と呼ばれました。ただし、同時に両方向へ開くことはできません。
TVボタン：ヒンジ部分に搭載されたTVボタンを押すことで、ワンセグ、デジタルラジオ、EZチャンネルプラスを統合した「au Media Tuner」が起動します。ワンセグ視聴への切り替えは15～30秒程度で完了します。
マイスクリーン：モバイルシアタースタイル時に表示される専用画面。待ち受け画面とは異なり、専用の画像や壁紙を設定できます。電話着信時は、縦開きにしてから通話するように注意が表示されます。
高音質技術：ダイマジックの音質補完技術「DBEX」を搭載し、クリアなサウンドを実現。
大画面液晶：当時au端末最大級の3.0インチフルワイドQVGA液晶を搭載。ワンセグを高画質で楽しめます。
高画質エンジン：ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」の高画質エンジンを携帯向けにした「RealityMAX」を搭載し、美しい映像を再現します。
フロントスピーカー：本体前面に2つのスピーカーを配置し、臨場感のあるサウンドを提供します。
豊富な機能とサービス：当時最高峰のスペックを誇り、多くの機能とサービスに対応していました。ただし、EV-DO Rev.Aには非対応です。
BRAVIAケータイの愛称は無し：独自の機構と高画質エンジンを搭載していながら、「BRAVIAケータイ」の愛称はドコモ向けのSO903iTVに付けられました。

沿革

2004年11月：KDDIと音声放送事業者6社が、地上デジタル音声放送の1セグメント放送サービスのデモを実施。
2006年10月：デジタルラジオ対応携帯の試作機をCEATEC JAPAN 2006で展示。
2006年10月4日：電気通信端末機器審査協会（JATE）認定。
2006年11月16日：KDDIおよびソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズより公式発表。
2006年12月8日：東北地区を除く全国にて先行発売。
2006年12月9日：東北地区にて発売。
2007年5月：販売終了。
2012年7月22日：旧800MHz帯による3Gサービスの完全終了。
2022年3月31日：2GHz帯を含む3Gサービスの完全終了により利用不可。

その他の仕様

最大連続ワンセグ視聴時間：
スピーカー使用時：DBEX機能OFF時 約3時間45分、ON時 約3時間30分
イヤホン使用時：DBEX機能OFF時 約4時間、ON時 約3時間45分
連続ワンセグ録画時間：最大約38分（本体メモリのみ録画可能）
連続デジタルラジオ視聴時間:
DBEX機能OFF時 約5時間
DBEX機能ON時 約4時間45分
対応サービス：PCサイトビューアー、au LISTEN MOBILE SERVICE、EZ着うたフル、LISMOビデオクリップ、EZ着うた（ハイクオリティステレオ）、EZアプリ（BREW）、EZナビウォーク（声de入力・電子コンパス）、EZ助手席ナビ、EZ・FM、EZ FeliCa、Hello Messenger、EZニュースフラッシュ、EZケータイアレンジ、デジタルラジオ、EZ[[テレビ]]（ワンセグ）、赤外線通信、デコレーションメール、安心ナビ、ペア機能、GLOBAL EXPERT、メモリースティックオーディオ、M.S.Videoなど。

不具合と対応

2006年12月15日：デジタルラジオ関連アプリの不具合により、パケット通信料が定額対象外になる問題が発生。ソフトウェアアップデートや店頭での更新で対応し、誤課金分は後日減額。
2007年1月31日：ケータイアップデートで、誤課金原因となるソフトウェアを修正。
2007年5月30日：ケータイアップデートで、カメラ機能での電源リセット、Eメール送信ボックスの件名表示不具合を修正。
2008年3月25日：ケータイアップデートで、Eメール送信履歴が消去される、電子書籍ファイル再生時の電源リセット、EZwebでの着うたストリーミング再生時のタイトル非表示などの不具合を修正。

関連項目

Premier3：W44S以来のデュアルオープン端末。
デジタルラジオ：W44Sの特徴である地上デジタル音声放送。
P905i・P906i・SoftBank 920P：W44Sと同様のデュアルオープン方式を採用したワンセグ携帯。
W62H：同時期のau携帯電話。
Wオープン：W44Sに採用された機構。

まとめ

W44Sは、革新的なデュアルオープンスタイルと日本初の地上デジタル音声放送受信機能を備えた、当時としては非常に先進的な携帯電話でした。しかし、3Gサービスの終了に伴い、現在は利用することができません。そのユニークなデザインと多機能性は、今もなお一部のユーザーの間で記憶されています。

もう一度検索