Ubuntuのリリースサイクルとサポート
Ubuntuは、Canonical社によって半年ごとにリリースされる
Linuxディストリビューションです。リリースバージョンは、リリース年の下2桁とリリース月の数字を組み合わせています。例えば、最初の
Ubuntuリリースである4.10は、
2004年10月にリリースされました。
Canonicalは、GNOMEのリリースの約1ヶ月後に
Ubuntuをリリースするスケジュールを組んでいます。これにより、
Ubuntuは常にGNOMEやXの最新バージョンを含むことが可能になっています。
4回のリリースごとに、1回は長期サポート(LTS)版として提供されます。12.04以降のLTSバージョンには5年間の標準サポートがあり、有料の延長サポート(ESM)を利用すると更に長期間(20.04以降では10年)のサポートを受けることができます。LTSではない通常版のサポート期間は、リリースから9ヶ月間です。
以下に、各
Ubuntuリリースの特徴と主な変更点をまとめました。
Ubuntu 4.10 (Warty Warthog)
- - 2004年10月20日にリリースされた、最初のUbuntuバージョン。
- - Debianをベースとしており、6ヶ月ごとのリリースと18ヶ月のサポートを計画。
- - フリーダウンロードとCanonicalのShipItサービスで提供。
Ubuntu 5.04 (Hoary Hedgehog)
- - 2005年4月8日リリース。
- - アップデートマネージャ、アップデート通知、サスペンド・ハイバネートのサポートなどを搭載。
- - プロセッサの動的なフリークエンシースケーリング、Ubuntu hardware databaseなどを実装。
Ubuntu 5.10 (Breezy Badger)
- - 2005年10月12日リリース。
- - Usplash、アプリケーション追加/削除ツール、Alacarteメニューエディターなどを搭載。
- - 言語セレクター、LVMサポートなどを追加。
Ubuntu 6.06 LTS (Dapper Drake)
Ubuntu 6.10 (Edgy Eft)
Ubuntu 7.04 (Feisty Fawn)
Ubuntu 7.10 (Gusty Gibbon)
Ubuntu 8.04 LTS (Hardy Heron)
Ubuntu 8.10 (Intrepid Ibex)
Ubuntu 9.04 (Jaunty Jackalope)
Ubuntu 9.10 (Karmic Koala)
Ubuntu 10.04 LTS (Lucid Lynx)
- - 2010年4月29日リリース、LTS版。
- - NvidiaグラフィックスドライバのデフォルトをNouveauに変更。
- - Plymouthを導入、GIMPをインストールCDから除外。
- - 新しいロゴを含むテーマを採用。
Ubuntu 11.04 (Natty Narwhal)
Ubuntu 11.10 (Oneiric Ocelot)
Ubuntu 12.04 LTS (Precise Pangolin)
Ubuntu 12.10 (Quantal Quetzal)
Ubuntu 13.04 (Raring Ringtail)
Ubuntu 13.10 (Saucy Salamander)
- - 2013年10月17日リリース。
- - デフォルトブラウザの変更を検討したが、Firefoxを継続採用。
- - Mirディスプレイサーバーの標準採用を延期。
Ubuntu 14.04 LTS (Trusty Tahr)
- - 2014年4月17日リリース、LTS版。
- - タブレットへのインターフェース対応に重点。
- - Unity Control Ceterを導入、SSDのTRIMを標準サポート。
Ubuntu 14.10 (Utopic Unicorn)
Ubuntu 15.04 (Vivid Vervet)
- - 2015年4月23日リリース。
- - systemdをデフォルト採用、グローバルメニューをローカルメニューに変更。
- - Intel Haswellのグラフィック性能を改善、AMD Radeonカードのサポートを向上。
Ubuntu 15.10 (Wily Werewolf)
Ubuntu 16.04 LTS (Xenial Xerus)
Ubuntu 16.10 (Yakkety Yak)
- - 2016年10月13日リリース。
- - Unity 7をメンテナンス、Unity 8のパッケージをISOに収録。
Ubuntu 17.04 (Zesty Zapus)
Ubuntu 17.10 (Artful Aardvark)
Ubuntu 18.04 LTS (Bionic Beaver)
- - 2018年4月26日リリース、LTS版。
- - 新しいテーマの導入を見送り、To-Doアプリを追加。
- - インストーラーに"Minimal Install"オプションを追加。
Ubuntu 18.10 (Cosmic Cuttlefish)
Ubuntu 19.04 (Disco Dingo)
Ubuntu 19.10 (Eoan Ermine)
Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa)
- - 2020年4月23日リリース、LTS版。
- - WireGuard VPN対応、サーバー自動インストール機能を追加。
- - GNOME 3.36を採用、ライト/ダークテーマを選択可能。
Ubuntu 20.10 (Groovy Gorilla)
- - 2020年10月22日リリース。
- - Raspberry Pi 2、3、4に対応。
- - GNOME 3.38を採用、アプリケーション一覧のカスタマイズが可能。
Ubuntu 21.04 (Hirsute Hippo)
Ubuntu 21.10 (Impish Indri)
- - 2021年10月14日リリース。
- - GNOME 40を採用。
- - ダーク/ライトテーマのみ。
- - Mozilla FireFoxをSnapパッケージで提供。
その後のリリース
- - 22.04 LTS(Jammy Jellyfish)
- - 22.10(Kinetic Kudu)
- - 23.04(Lunar Lobster)
- - 23.10(Mantic Minotaur)
- - 24.04 LTS(Noble Numbat)
まとめ
Ubuntuは、そのリリースサイクルと各リリースでの進化により、常に最新の技術をユーザーに提供しています。長期サポート版と通常版を使い分けることで、ユーザーのニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。