V2レコード

V2レコード：音楽史に刻まれたレーベルの軌跡

V2レコード（V2 Records）、またはV2ミュージック（V2 Music）は、世界的企業家リチャード・ブランソンが率いるヴァージン・グループの傘下で1996年に設立されたレコードレーベルです。ヴァージン・レコードをEMIに売却後、ブランソンが新たな音楽レーベルとして立ち上げたV2レコードは、その設立から数々の成功を収め、音楽業界に大きな足跡を残しました。

設立当初から、V2レコードは積極的なレーベル買収やライセンス契約を通じて、その事業規模を拡大しました。ジュニア・ボーイズ・オウン、ジー・ストリート・レコード、ブルー・ドッグ・レコード、ビッグ・キャット・レコードといったレーベルを傘下に収め、さらにウィチタ・レコーディングス、ルアカ・ボップ、シティ・スラングなど、多くのインディーレーベルとも提携。幅広い音楽ジャンルを網羅する、強力なレーベルグループへと成長を遂げました。

2005年には、複数のインディペンデントレーベルの販売、宣伝、流通業務を一括して行うコオペレイティヴ・ミュージックを設立。V2レコードの事業基盤をさらに強化し、音楽業界における影響力を拡大しました。しかし、2007年にはユニバーサルミュージックグループにV2レコードとコオペレイティヴ・ミュージック両社が買収されるという大きな転換期を迎えます。買収額は700万ユーロと推定されています。

その後、2012年のEMI買収に伴う事業再編により、V2レコードはPIASエンタテインメント・グループに売却され、新たなステージへ移行しました。現在に至るまで、PIASグループの一員として、音楽シーンにおけるその存在感を維持しています。

日本においても、V2レコードは1998年にV2 Records Japan（株式会社ヴイツーレコーズ・ジャパン）を設立し、精力的に活動を展開しました。ソニー・ミュージックエンタテインメント、コロムビアミュージックエンタテインメントといった日本の大手音楽レーベルとライセンス契約を締結するなど、日本市場での成功にも大きく貢献しています。その後、ホステス・エンタテインメントとのライセンス契約を経て、現在はPIAS傘下で日本市場における活動を継続しています。

V2レコードは、エイミー・マン、アルカライン・トリオ、ブラック・クロウズ、ブロック・パーティ、ザ・ブラッド・ブラザーズなど、数々の著名アーティストを輩出しました。これらのアーティストたちは、V2レコードを通じて世界的な成功を収め、音楽史に名を刻んでいます。 その他にも、ブレンダン・ベンソン、バッファロー・ドーター、カーラ・ブルーニ、クリスタル・メソッド、ダットサンズ、デイヴ・マシューズ・バンド、デウス、エルボー、グランダディ、グリーンホーンズ、イザベル・キャンベル、リバティ・エックス、マッドネス、マーキュリー・レヴ、モービー、ポール・ウェラー、P.M.ドーン、ザ・ラカンターズ、レイ・デイヴィス、ライノセラス、スキン、ステレオフォニックス、シュガーカルト、テイ・トウワ、TYÜNK（難波章浩）、アンダーワールド、ザ・ホワイト・ストライプスなど、多様なジャンルのアーティストがV2レコードに所属し、それぞれの才能を存分に開花させました。

V2レコードは、その設立から現在まで、音楽業界に多大な影響を与え続け、多くのアーティストのキャリアを支え、音楽シーンを豊かに彩る上で重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。 リチャード・ブランソンというカリスマ経営者のビジョンと、数々の才能あるアーティスト、そして関係者の努力によって築き上げられたV2レコードの歴史は、これからも音楽史に語り継がれていくことでしょう。

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