カプア

カプア：古代ローマの栄光を受け継ぐイタリアの都市

カプアは、イタリア共和国カンパニア州カゼルタ県に位置するコムーネで、約1万9000人の人々が暮らしています。その歴史は古代ローマ時代に遡り、カンパニア地方の中心都市として繁栄しました。本稿では、カプアの歴史、地理、文化について詳細に解説します。

カプアの歴史

古代カプア

カプアの地名は、エトルリア語の「Capeva」（沼地の都市）に由来すると言われています。大カトーによれば、カプアはローマがこの地を手に入れる260年前にエトルリア人によって建設されました。もしこれが事実であれば、紀元前600年頃に建設されたことになります。この時期は、エトルリア文明が最も繁栄した時代でした。

この地域には先史時代から集落が存在していましたが、オスク語を話す人々やエトルリア人によって都市として発展しました。しかし、紀元前5世紀後半にサムニウム人が侵入し、エトルリア人の覇権は終焉を迎えます。紀元前424年にはサムニウム人によって占拠され、紀元前343年にカプアの人々はローマに救援を求め、ローマとの同盟を結びました。

第二次サムニウム戦争では、カプアはローマの同盟国として信頼できない行動を取りました。サムニウムが敗北すると、ヴォルトゥルノ川右岸の地域が接収されました。紀元前318年には、地元の官僚の権限が制限され、ローマの官僚が派遣されるようになりました。

紀元前312年には、アッピア街道が建設され、カプアはローマと直結されました。これにより、カプアはローマにとって重要な拠点となり、その名がローマの城門にも残されることになりました。紀元前3世紀には、カプアはますます重要性を増し、第二次ポエニ戦争の際にはローマとカルタゴに匹敵するほどの軍事力を有していました。

しかし、カンナエの戦いでローマが敗北した後、カプアはハンニバル側に離反し、ハンニバルを冬季の宿営地として迎え入れました。紀元前211年、カプアはローマによって占領され、厳しい処罰を受けました。自治機関は廃止され、市民権を失い、領土はローマの公有地となりました。

カプアはその後も繁栄を続け、スペルト小麦、ワイン、バラ、軟膏などの生産が盛んになりました。また、剣闘士養成所としても知られ、スパルタクスなどの反乱指導者を輩出しました。紀元前59年には、ユリウス・カエサルによってローマ植民地が建設され、多くのローマ市民が移住しました。

中世カプア

コンスタンティヌス帝の時代には、カプアにもキリスト教の教会が建てられました。456年にはヴァンダル族によって占領され破壊されましたが、まもなく再建されました。ゴート戦争の時代には大きな苦しみを受け、6世紀後半にはランゴバルド族によって略奪されました。

839年、ベネヴェント公シカルドが暗殺され、その兄弟であるシコヌルフがサレルノ公およびカプアのガスタルドを称して独立しました。840年には、イスラム教徒の軍勢によって焼き払われ、灰燼に帰しました。856年、以前の場所よりも若干離れた地点に新しい都市（現在のカプア）が建設されました。

900年、カプア公アテヌルフ1世はベネヴェントを征服し、カプアとベネヴェントの両公国は統一されました。この時期のカプアは、ベネヴェントをしのぎ、サレルノの主要なライバルとなりました。1027年には、ノルマン人の支援を得てナポリを併合しましたが、後に奪還されました。1058年には、ノルマン人によって包囲され、陥落しました。1156年に末裔が絶えると、カプア公国はシチリア王国に統合され、首都としての地位を失いました。

近代カプア

1734年には、ポーランド継承戦争中にフランス・サルデーニャ連合軍とオーストリア軍との間でカプア包囲戦が行われました。1860年には、ジュゼッペ・ガリバルディによる千人隊の遠征におけるヴォルトゥルノの戦いがカプア近郊で起こり、数か月後の国民投票により、カプアの住民たちはイタリア王国への統合を支持しました。

地理

カプアは、カゼルタ県の中部に位置し、ヴォルトゥルノ川の左岸にあります。県都カゼルタから西北西へ約11km、州都ナポリから北へ約29kmの距離にあります。隣接するコムーネは、ベッローナ、カゼルタ、カステル・ディ・サッソ、カステルモーラ、リベリ、サンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレ、サンタンジェロ・イン・フォルミスです。

交通

カプアには、ローマ＝カッシーノ＝ナポリ線が通り、カプア駅があります。また、アウトストラーダ A1のサンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレ出入口や、国道SS7、SS7bisが利用できます。かつて軍用飛行場であったカプア飛行場もあります。

カプアは、古代ローマ時代から中世にかけて重要な役割を果たした都市であり、豊かな歴史と文化遺産を有しています。その地理的な特徴と交通の要衝としての役割も、カプアの発展に大きく貢献しました。

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