紀元前312年

紀元前312年は、共和政ローマにおいて、執政官コルウスとムスが就任した年として記録されています。この年は、ローマ建国紀元446年とも称されましたが、現在では紀元前312年として広く認識されています。当時、ヨーロッパでは西暦が普及しておらず、異なる紀年法が用いられていました。

各地域の紀年法

干支：己酉
日本：皇紀349年、孝安天皇81年
中国：
周 - 赧王3年
秦 - 恵文王13年
楚 - 懐王17年
斉 - 宣王8年
燕 - 燕王噲9年
趙 - 武霊王14年
魏 - 襄王7年
韓 - 宣恵王21年
朝鮮：檀紀2022年
ベトナム：仏滅紀元233年
ユダヤ暦：該当年の記述なし

主な出来事

セレウコス朝の成立：プトレマイオス1世とセレウコス1世は、シリアを侵攻し、ガザの戦いでアンティゴノス1世の息子デメトリオス1世を破りました。この戦いの後、セレウコス1世はバビロニアへ帰還し、セレウコス朝の始祖となりました。
シチリアの動乱：シュラクサイはカルタゴにアガトクレス打倒の支援を求めました。カルタゴもシチリアの権益を守るため、大軍を派遣しました。
共和政ローマの変革：ケンソルであるアッピウス・クラウディウス・カエクスは、アッピア街道の建設を開始し、ローマとカプアを結ぶ重要な交通路を整備しました。また、彼は土地を持たない市民に選挙権を与え、解放奴隷の子を元老院に入れるなど、政治改革を推し進めました。さらに、ローマ初の水道であるアッピア水道が完成し、ローマ市民は清潔な水を利用できるようになりました。
中国の戦国時代：楚は秦に侵攻しましたが、丹陽と藍田で敗北し、衰退のきっかけとなりました。魏と韓はこれに乗じて楚に侵攻しました。一方、燕では昭王が即位し、斉への復讐を誓い、国を再興させるために尽力しました。昭王は郭隗を師とし、楽毅を亜卿に任じて国政を委ねました。

その他の出来事

韓の宣恵王が死去し、太子倉が即位して襄王となりました。

誕生

この年に生まれた人物に関する記録はありません。

死去

ペイトン：アレクサンドロス3世の家臣で、ディアドコイの一人。
紀元前387年生'>[ヘラクレイデス]]：古代ギリシャの[[哲学者]。
* 宣恵王：韓の君主。

紀元前312年は、各地域で様々な出来事が起こり、歴史の流れを大きく変えた年でした。特にローマでは、インフラ整備と政治改革が同時進行し、後のローマ帝国の発展に繋がる重要な一歩を踏み出しました。また、東方ではセレウコス朝が成立し、新たな時代が始まりました。中国では戦国時代の戦乱が続き、各国の勢力図が変動しました。

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