サージェント・スローター

サージェント・スローターについて

サージェント・スローター（本名：Robert Rudolph Remus）は、1948年8月27日生まれのアメリカ合衆国のプロレスラーです。彼はミシガン州デトロイト出身で、特に「鬼軍曹」として広く知られています。軍人ギミックを持つ彼は、ヒール（悪役）とベビーフェイス（正義の味方）として、両方のキャラクターでプロレス界に足跡を残しました。愛称は「サージ」です。

来歴

サージェント・スローターは学生時代にレスリングやアメリカンフットボールに打ち込み、学業を終えた後は海兵隊員としてベトナム戦争に従軍しました。除隊後、彼はAWA（アメリカン・レスリング・アソシエーション）のトレーニングキャンプに参加し、1973年にはボブ・リーマス名義でプロレスデビューを果たします。以来、ボビー・スローターやビューティフル・ボビー・リーマス等のリングネームで各地を転戦し、ヒールレスラーとしての地位を確立しました。

1975年1月にはボビー・スローター名義で日本に初来日し、グレート草津やマイティ井上と金網デスマッチを行いました。その後も日本の全日本プロレスに登場し、ジャイアント馬場やジャンボ鶴田と対戦し、名を馳せました。

爬虫類のようなキャラクターの進化

1976年にはNWAトライステート地区でのダブルタイトルマッチにてUSタッグ王座を獲得し、1977年にはセントラル・ステーツ・ヘビー級王座も獲得しました。1978年にAWAに戻った彼は、新たに覆面レスラーのスーパー・デストロイヤー・マークIIとして活動し始め、ボディーガード役を務めて注目を浴びます。

1979年にはビル・ロビンソンからAWA認定の大英帝国ヘビー級王座を奪取し、1980年にはジャイアント馬場のPWFヘビー級王座に挑戦しました。1981年、WWFに移籍すると、いわゆる「鬼軍曹」となるべく新たなキャラクター設定を始めました。彼のマネージャーにはグラン・ウィザードがつき、様々なビッグネームとの因縁が展開されました。

転機と新たな挑戦

1981年のマディソン・スクエア・ガーデンでのアンドレ・ザ・ジャイアントとの対戦など、今までにない体験を経ることで、スローターはヒーローと悪役の両方としての魅力を増しました。彼はミッドアトランティック地区でもトップスターたちと抗争し、特にリック・フレアーとのタイトルマッチは多くのファンの記憶に残っています。

1983年にはWWFに再度活躍の場を移し、チキンウィングやコブラクラッチといった多彩な技を駆使して観客を魅了しました。さらに、1984年にはベビーフェイスとしての転身を果たし、自身の人気復活を果たしました。しかし、WWFを離脱し、古巣のAWAに戻ることになります。

復帰と晩年

1990年に湾岸戦争を背景にWWFに復帰し、「フセインに魂を売った男」として新たなヒールキャラクターを演じました。1991年にはロイヤルランブルでWWF世界ヘビー級王座を獲得し、一時の栄光を取り戻しますが、その後は同エンターテインメントから引退し、裏方としての道を歩むことになります。

2004年にはWWE殿堂入りを果たし、その後もエージェントとしてWWEに貢献しつつ、時折試合にも出場しています。多くのファンに愛され続ける彼のキャリアは、今もなおプロレス界における影響力は健在です。

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