PWFヘビー級王座

PWFヘビー級王座の概要

PWFヘビー級王座は、全日本プロレスが管理し、Pacific Wrestling Federation（PWF）が認定する名高いプロレスのチャンピオンベルトです。この王座はもともと「世界ヘビー級王座」として知られ、後に「PWF世界ヘビー級王座」と改名されました。現在では三冠ヘビー級王座を構成する重要な一つとなっています。

歴史の始まり

この王座の歴史は1972年、著名なプロレスラー力道山の死後に始まります。力道山が持っていたインターナショナル・ヘビー級王座とWWA世界ヘビー級王座のベルト（通称「力道山ベルト」）が、全日本プロレスの創設者であるジャイアント馬場に寄贈されました。全日本プロレスはこれを利用して王座争奪戦を開催し、初代王者を決定することになりました。

初代王座争奪戦には、馬場を含む多くの有名選手たちが参加しました。ブルーノ・サンマルチノやテリー・ファンク、アブドーラ・ザ・ブッチャーなどが名を連ね、馬場は8勝2引分けという成績で初代王座を手に入れました。この際に全日本プロレスは、PWFを設立し、初代会長に馬場の友人であるロード・ジェームス・ブレアースが就任しました。

PWFへの改名

全日本プロレスがPWFを設立した後、王座名はPWF世界ヘビー級王座に改名されましたが、1974年にはNWAの規定により「世界」の文字を外し、PWFヘビー級王座と呼ばれるようになりました。この変更は、NWAから各団体に対し、NWA世界ヘビー級王座以外の世界的な王座を新たに認定しないようにという指令に応じたものでした。

防衛の記録

初代王者として君臨した馬場は、関わった注目の選手たちとともに38回の連続防衛に成功しました。これは日本プロレス史における最多連続防衛の記録です。馬場は、ザ・シークやブッチャー、オコーナーなどの強豪たちを次々と退け、その防衛記録を築きました。

1978年、カマタとの試合で馬場は反則負けを喫し、王座を失うこととなりますが、その後79年に王座を奪回します。この時から、馬場は再び王者の座を守るため多くの強者と闘い続けることになります。特に、ブッチャーやブルーザー・ブロディなどとの激しい防衛戦は記憶に残っています。

名勝負の数々

1982年には、馬場の無欠場記録3000試合を記念したダブルタイトルマッチが行われ、さらにはスタン・ハンセンとの初対決もPWF選手権試合として実現しました。これらの試合は、東京スポーツプロレス大賞の「年間最高試合賞」を受賞するなどの評価を得ました。

王座はその後も多くの選手に引き継がれ、1989年にはジャンボ鶴田が統一戦で勝利し、三冠統一ヘビー級王者となりました。これにより、PWFヘビー級王座はさらにその存在感を強めていきます。

歴代王者とその記録

歴代の王者には、ジャイアント馬場やスタン・ハンセンなどの名レスラーたちが名を連ねています。馬場は最多連続防衛回数の38回や、最多通算防衛の59回を誇るなど、その偉大な記録は今も語り継がれています。さらに、最年長で王座を獲得したのも馬場で、46歳6ヶ月の間に王座を保持していました。

このように、PWFヘビー級王座はその始まりから現在まで数々の名勝負とともに歴史を刻んできた王座であり、今後も多くの挑戦者たちにとっての目標であり続けるでしょう。

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