わ

日本語の音節「わ」について

「わ」は、日本語の音節の一つであり、平仮名と片仮名で表記される仮名です。1モーラを形成し、五十音図では第10行第1段（わ行あ段）に位置します。

音韻と発音

現代標準語において、「わ」は1つの子音と1つの母音からなる音 /wa/ で構成されます。具体的には、母音/u/の口の構えから始まる半[[母音]] /w/ と母音 /a/ が組み合わさった音です。

音声学的には、国際音声記号で [β̞a] と表記されることがあります。これは、両唇を少し突き出して接近させる両唇接近音 [β̞] の構えから、母音 [a] へと移行する際の短く発音される両唇半[[母音]]を指します。

五十音と順序

「わ」は、五十音順では44番目に位置します。また、いろは順では13番目で、「を」の次、「か」の前に置かれます。

字形

平仮名の「わ」は、「和」の草体から派生しています。一方、片仮名の「ワ」は、「和」の旁の草体、または輪の形（○）から来ているという説があります。

ローマ字、点字、通話表

ローマ字表記では「wa」と書きます。点字では、特定の記号で表現されます。通話表では「わらびのワ」と伝えられ、モールス信号では「－・－」と表現されます。手旗信号では、2→9で表されます。

用法

「わ」は、単独で使われるだけでなく、「く」や「ぐ」に後続して合拗音を構成することがあります。この際、「わ」は小さく「ゎ」と書かれることが一般的です。ただし、現代標準語の音韻は「か」(/ka/)、「が」(/ga/) と変わらず、現代仮名遣いではそれぞれ「か」、「が」と書きます。

/kwa/、/gwa/ の音を書き表す必要がある場合、「クァ」、「グァ」と書くこともあります。特に、シークヮーサーのように、現在でもこの表記が一般的に使われる単語もあります。

例：

火事 → くゎじ（かじ）
喧嘩 → けんくゎ（けんか）
関西学院大学 → くゎんせいがくいんだいがく（かんせいがくいんだいがく）

また、富山県の一部の方言では、「わ」を va に近い発音で発音する地域もあります。また、北東北の一部の方言や沖縄語では、「私」を「わ」と言うことがあります。これらは古語の用法（我（わ））の名残です。

さらに、一部の外来語で、/wa/ と同じ発音であっても「ウァ」と表記することがあります。これは、ラテン語の va を古典式発音で音写する際に用いられる例（例：ウァレンティヌス、ミネルウァ）が見られます。

「わ」に関する諸事項

漫画: 「わ!」というタイトルの小島あきらの漫画があります。
自動車のナンバープレート: 日本のレンタカーやカーシェアリングで使われる自動車のナンバープレートには、「わ」の文字が使われています（ただし、長崎・鹿児島の離島事務所で払い出される登録車は「れ」）。
部首: 漢字の部首である「冖」（わかんむり）は、片仮名の「ワ」の字形に因んで名付けられました。
民事事件記録符号: 民事事件記録符号では、通常訴訟事件に（ワ）を用います。
県旗: 和歌山県旗は、片仮名の「ワ」をデザイン化したものです。

関連情報

ゎ: 小書きの「わ」の文字について。
Wikipedia:索引 わ: Wikipedia内の「わ」に関する索引。

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